今の子どもたちに「根性」は必要?
みかん先生、最近子どもが根性がないっていうふうに言われてるんですけれども、どう思いますか?


根性って言うと?
例えば、習い事をすぐやめちゃったりだったりとか、自分がやりたいって言ったことを続けられなかったりとか、粘り強さっていうのが最近減ってるんじゃないかなと思うんですけど。


なんか今、根性論とかって言うとちょっと古いというか。『巨人の星』とか『エースを狙え』とかっていう世界じゃないじゃないですか今。ちょっとわからないですけど、わかる人いっぱいいると思いますよ。

なんかそういう根性論みたいなのって割と古いっていうか、そういうことやってるから例えばそのスポーツの世界で言うと水飲んじゃいけないとか、あれが古いと言われてる時代にはなってきてるなとは思うんですけど。

じゃああの頃の、こう叩き上げられた良さみたいなものも、今失われつつあるっていうのは確かにそうだなと思いますね。
駅伝大会との出会い
実際その自分の子どもにやっぱりそういう根性だったりとか粘り強さってあってほしいなとは正直思うんですよね。もちろん無理やりっていうわけではなく。


いろいろ続いた方がいいしね。なんか辛いことがあってもちょっとぐらい頑張る力は持っててほしいって思うところはあるんじゃないかなって思う。

私勤めていた学校で駅伝大会っていうのがすごく盛んに行われていて、その中で子どもたちが成長していった姿っていうのは私はすごく感動をもらったし、子どもたち自身もすごく大きく成長したなと。それこそ『根性あるなこいつら』って思うようなことたくさん起こっていて。

そこで何が起こっていたんだろうっていうところで言うと、なんか少し参考になるんじゃないかなと思ってお話しさせていただきたいなと思ったんですけど。
駅伝大会の仕組み

駅伝大会ってその地区で最終的には年末頃に大きな地区の駅伝大会っていうのが開かれます。選抜メンバー10人が選ばれて、たすきをつないでいくわけですよ。で、一人結構な距離をすごいスピードで走るんですよ。

この1位を狙いに行くっていうのは結構激しい練習を伴うもので、根性がどうとか競争がどうのっていう現代社会においては批判されるようなところもあって。私も最初その地区に勤務した時に『うわぁこんなこと子どもに強いるの?』っていうか。

そんなに激しい...激しいです。吐くまで走ったり...『吐け』って言ってるんじゃないですよ。必死で子どもが走った結果吐いちゃってたりすることってあって。『これってどうなんだろう』って思ったところが正直あったんですよ、勤務した時最初は。
希望者から始まる課外練習
練習の始まり

私結局5、6年ばっかり担任するので、だいたい選抜メンバーがクラスの中から出るわけです。練習に参加できるのは4年生からなんですけど、体の大きさもあって選抜メンバーは5、6年、特に6年生中心にタイムで選ばれてました。

女子も男子も各10人ずつが選抜、あと補欠が選ばれて、それが選手コースと言われるコースになって。朝練と放課後練っていうのが結構厳しく行われていましたね。
大体何ヶ月前ぐらいから練習始まるんですか?


運動会終わりだから9月末頃から課外練習って言って希望者の練習が始まるんですよ。これ本当に希望者だけなんで、出たくない人出なくていいし。習い事とかね、あとは金管のクラブもあって、そっちに参加してる人とかは、やっぱり課外練習も出ると、ブッキングしちゃうことが多かったので、そういう人は参加しないんですけど。希望者は参加できますと。

で、これも課外の希望者を募るにあたって、担任の先生がどう話したかっていうので、希望者の数も全然違ってきたりするんですけど。
最初の印象と変化

私1年、一番最初は低学年を持ってたので、課外練習っていうのを見守らせてもらった結果、『これってすごいことだな』って思ったんですよ。

私自分だったら長距離嫌いなんで、いっぱい走るの嫌いなんで苦しいし、参加したくないところだけど、子どもたちの成長がやっぱりものすごく...顔つきが変わっていくし、子どもたち自身が自分に持つ自信っていうのが変わっていくなって見てて思ってたので。

持った最初の5年生にも、毎年持つ子たちに『迷ったなら出てみたらいい』って。『途中でやめることもできるわけだから』『さらに成長したいとか挑戦してみたいって思う気持ちがかけらでもあったら、ぜひ挑戦してみてほしい』みたいな話は子どもたちにした上で課外練習っていうのが始まってました。
選手コースへの道のり
厳しい練習の実態

課外練習が2ヶ月間くらい続くと、選手コースの選抜っていうのがタイムで上から選ばれていくんですね。

その課外コースっていうのもウォーミングアップからとにかくダッシュ、ダッシュ、ダッシュで走り続けるんですけど、タイム取りっていうのがあって、タイムが上がった下がったで自主練やってる子も多かったし。みたいな感じで選手コースが選ばれていきます。

選手コースが選ばれると、選手と普通の課外メンバーとは練習内容が分けられて、選手ってやっぱりすごいかなり過酷な練習を積んで、補欠も含め最終的な一番走者からアンカーまでが選ばれるっていうところで、壮絶な競争になっていくんですよね。学校内。
学校全体での取り組みの課題
そうなんですね。


それっていろんなクラスを自分が低学年持ってた時に見ていて、もっとクラスみんなでとか、学校全体で応援できるものになったらさらにすごくいい経験になるだろうし、それだけ見応えがあるものなのになーって思ってたところがあって。
元々どういう状態だったんですか?


元々?選手コースと課外コースって分けられちゃって、選手が何やってるかよく分かんないですよ、参加しないと。参加しないと分かんないし、なんか選手って足速いんだ、かっこいいだろみたいな感じで特別扱いをされて。

その大会の日っていうのがあって、で校内放送でも速報が流れたりするんだけど、『駅伝は何のこっちゃ知らん』し、練習風景を朝練やってる選手は登校しながら横目に見るけど、あまりに世界が違いすぎてあまり知らないしっていうところで。

なんか学校全体で応援する雰囲気じゃなかったし、なんか応援の力ってものすごいから、なんかもっと応援されるとか、そこから感動をもらうみたいなところにつなげていけたらいいんじゃないかなは思ったんですよ、遠目に見てて。
先生としての関わり方
練習への参加と声かけ

で、自分が5年生、6年を持った時に、やっぱり心がけたのは、選手ってどういうものなのかだし、応援の力のすごさとか、『応援するだけでも感動するんだ』『人が頑張ってる姿っていうのは』みたいなのが、やっぱり一緒に味わっていけたらいいなっていうのが思ったのがあって。

とにかく課外練習から一緒に練習に出ることを大事にしてました。自分はそんなに子どもたちほど走れないんだけど、走れるときは走って、とにかく声張る。
感謝の気持ちを伝える

声張る中で子どもたちに伝えていたのは、この駅伝大会っていうのはね、正直私勤務して思ったのは、駅伝大会があるせいで仕事増える。なんで放課後練習に付き合ってたら放課後の仕事全然進まないし、一緒に走ってる先生も多いわけですよ。

『そんなの仕事として知らないよ』『だいたいみんなより体力衰えてるんだよ』みたいなところで走ってる先生って多かったし、朝練に付き合ってて残業代出ないんですよ先生って。

でも朝練に参加しようと思って、朝練の姿見ようと思って出てる先生もたくさんいて、どれだけのものに支えられているかっていうところで、『この練習があって当たり前なものじゃない』っていうところには、ちゃんと感謝できる人であってほしいって私はあったから。

苦労を伝えたし、それだけ先生たちがすごく真剣に関わってる。特に私なんか違うけど、体育部の先生たちってこの駅伝選手が足が少しでもスピードを上げて速くなっていくためにっていろいろな研究をして、自分たち自身ももともと運動神経のいい先生方でいえば、トップの子たちを引っ張って走っていくわけですよ。アスリートですよ、やってることが。

そのために体鍛えとか筋トレしてとかやってる先生いるっていうところで言うと、それを伝えたかったし。
厳しい指導の理由

伝えた上で、私は最初に一緒に持った5年生、6年生というところで、一緒に参加した後は次の日激怒です。練習態度がなってないって。

『どうしてお礼の声があれで済むの?』『まず態度が』『だってものすごく大切なことだよ』『どういう姿勢で臨むの?』っていうところで言うと、『よろしくお願いします』『ありがとうございました』『今日も練習本当に見てくださってありがとうございました』

『この気持ちがないやつは参加しない方がいいと思う』『何学びに来てんの?』って言ってて。結構厳しかったと思うけど、『ありがとうございました』私自身声を張って本当に『ありがとうございます』を先生たちに伝えるようにしてたし、それがやっぱりそういう姿勢って伝わってほしい。

こういうスポーツの世界だから学べることってあるじゃないですか、やっぱり。強いチームって挨拶ちゃんとしてるじゃないですか、どこ見ても。っていうのはずっと自分も運動部でいることはあったけど、強いチームほどちゃんとしてたっていうのは心意気だと思うんですよね。

っていう話も子どもたちとした上で、『ありがとうございました』っていうのは声しっかり出してみたいなところを子どもたちがやることで、顔つきって変わってくるんですよ。子どもも『真剣にやるんだ』っていう。
子どもたちの成長
タイムの向上と記録の大切さ

そうすると本当にタイム伸びてくる。今まで本当に走るのとか苦手だし、練習したこともありませんみたいな子って、グンって伸びるんですよタイムが。すっごい伸びるって。

そのすごい伸びてることに気づいてほしかったから、毎回出たタイムっていうのを、その子の記録っていうのを作って書いて渡してた。

『伸びたね』って『すごいことだよこれは』って『頑張ってるからだね』っていうのを渡してた。だからこういう頑張ったら、ちょっと自分の限界超えて頑張ったらいいことがある、見ててくれる人がいるっていうのを、どうしても味わってほしかったから、一人一人に声かけて渡してたんです。
クラス全体への広がり

でクラスだから面白かったのが、課外練習に途中から参加したいです、お願いしますっていう人が出てくる。やっぱり生き生きと『これ何秒上がったよ』って、『放課後今日課外練習ないけど走ろうぜ』みたいな子が出てくるんですよ。

走る楽しさがって。最初のうちってタイムが選手コースに選ばれる子たちって限界点であんまり上がんないんですけど、伸びしろがすごい子たちすごい上がっていく姿を見てて、『みんなと声掛け合って頑張ることってかっこいいな』みたいな空気ができると、『課外練習忙しいから無理』って思ったんですけど、『途中から参加したいです』みたいな子が増えていって、課外練習を盛り上げるモードになっていくんですよね、年月を経るごとに。
参加していない子どもたちとの関係

その上で、塾で忙しい、受験を控えてる子もいたし、金管頑張ってる子もいたので、その大変さっていうのも伝えた上で、『課外練習でこんなことしてるよ』って、『クラスの仲間がそうやって声かけて頑張り合ってるよ』っていうお互いの状況っていうのは、私が間に入って伝えていった方がいいかなって思うようなところがあったので。

『課外出てるやつが偉くて、帰るやつがサボってる』みたいな雰囲気を感じた時に、その間もつなぐようにしてた。
感動的なエピソード

ことでよくエピソードとして紹介するんですけど、その課外練習に出ていなかった子たちが、課外練習の最終に『本当にお疲れ様』っていう黒板のメッセージを勝手に書いてエピソードがあったりするんですよね。

『みんなが頑張ってたから私たちも頑張れたよ』っていうメッセージが黒板いっぱいに書かれていて、で課外が最後、最終練習が終わったと帰ってきた子たちびっくりして。

で急いで着替えるんで、『ちょっと黒板書くことを許してください』って。『これは僕たちが書きたいから消したくないんです』けど『消したくないんで早く写真撮ってください』とか、写真撮って消して、『みんなの応援のおかげで頑張れてありがとう』みたいなメッセージを送って交流し合ってみたいなことが生まれていくっていうのが。

課外練習に参加していたメンバーの達成感とそれ以外の子たちとのつながり、『来年は私は金管でも出れる日に課外に参加したい』みたいな子たちって現れるんですよ。

例えば5年生持ってたらクラスに『何かに向かって結構ちょっときついけど、やりきることってこんなにキラキラすることなんだ』みたいなのを目の当たりにできるイベントだったな、駅伝大会自体がっていうのは一つ思った。
選手コースの指導
選手に求める姿勢

っていうのともう一つは、選手コースの選抜っていうのが1ヶ月くらい続いた後選ばれるんです。そこで私が何をしたかっていうと、まず選手コースに選ばれた子たちへのエールっていうのが、勇気づけっていうのがすごい必要だなって思ったし。

手放しに応援できるかっていうと、惜しくも選ばれなかった子たちとか、『どうして俺足遅いし』な、『あいつ早いからいらっしゃった』みたいな子たちっていうのもいたりする中で。

私選手コースに選ばれた子たちにすごく毎回話すようにしてたのが、選手コースに選ばれる子たちがクラスの中で大体6、7名とか、5年生で言うと3、4名だったかな、6年で言うともっと多かった。

クラスで言えば1番のトップのエースになっていくとかも言ったりしたので、いつも言ってたのが『あなたたちはすごいよ』『走る力、持久力、根気、負けん気、本当にすごいと思う』『他の人たち、今回選ばれなかった人たちに比べて偉いわけじゃない』

『ここから選手コースの練習が始まるところで、選ばれた者同士ライバルになってたりするわけでしょ?』って。『周りからの応援って私はすごく大事なものだと思う』って。
応援される人になるために

『正直今選ばれた段階で、あなたたちのことを本気で応援しようと思っているメンバーはクラスの中にそんなにいないと思う』『すごい仲良い友達とかは別としてね』

『でもあなたたちの態度とかあなたたちの姿勢っていうので、応援されるか否かは自分自身で決まると思うよ』って。『応援される人に、みんなから応援される人にみんなはなれると思う』

『それのためにどういうふうにこれからの練習に臨んでいきたいと思う?』って聞いたら、『なんか自分たちは走るのが得意だっていうところで選んでもらったわけだから、例えば苦手な子がいたら自分が引っ張ったり力になったりっていうものができると思うし』

『選手だからどうっていう風にするんじゃなくて、選手コースとしての練習も頑張るけど、授業も頑張るしとかっていう風に真摯に取り組むことが大事だと思う』みたいなことって出てくるんですよ。

5、6年ってもう出てきた時に、もう涙が出そうだよって。本当に素敵だと思って。
先生としての支え

『そんなあなたたちは私は応援するし、みんなの辛さとか選手コースのプレッシャーとかそういうのは私も一緒に感じていきたいから、できる限り練習に付き合う』『私はあなたたちみたいに走ることはできないけどね、声から応援するし、一緒に戦っていくつもりだから、みんなにもそれを伝えていこうと思う』

『だから誰からも応援される人になるために、ここから応援される人になるために、応援される人にみんなはなると思うから、ここから2ヶ月間戦っていこうね』っていうような話を最初にしてたんです、選手の子たちに。
応援の文化の醸成
選手の態度の変化

だから朝練ってすごい辛くて、必死に走るが故に吐いちゃったり、疲労度ってすごくあって朝の会に遅れてくるみたいなことがあったんだけど、その時に『朝練だから当たり前だろ』って来てたら応援されないんですよ。

それで言うとやっぱ最初に話すことで、その子たちがどうやって教室に入ってたかというと、『遅れてすいませんでした』入ってすぐにクラスの活動に参加する、『遅れてごめんな』って言いながら。

それを見てる子たちってやっぱり変わってくるんですよね、見方が。私は選手コースがどれだけの練習に耐えてるかっていう話は見て伝えるようにしてた。

で、その上で、やっぱり彼らが態度で示してくれることで、周りの子たちの姿勢も凛としてくれるとか、すごく引き締まってくるんですよね。
クラス全体の意識改革

例えば、選手コースは練習してそうやって入ってくるわけだけど、それまでダラダラしてたりするわけですよ、クラスが。それは怒ってたし、『恥ずかしくないの?』って。

『自分の同い年の仲間がこれだけやって、全然違うじゃん』って。『本当にどれだけ疲れてることをやってると思って?』って。『それを自慢した子いる』って言ったりしません『って。『俺こんなにやってんだからこれやんなくていいだろ』って偉そうな顔した子がいた?』って言ったら。

『じゃあみんなは何で見せるの?』っていうのは言ってって、言った上で起こってきたのが、やっぱ『応援しよう』っていう声が子どもたちから起こってくるんですよね。
自然発生的な応援活動

だからなんか毎日朝、選手コースが一番朝学校に早く来て着替えに教室に入るところで、早めに登校、放課後残ってる子たちが『選手のみんなは朝も辛いと思うから、なんか言葉を送ろう』っていうので、クラスの中で分担決めて、『今日も朝練頑張ってね』『みんな応援してるよ』みたいなメッセージが毎朝送られるようになったり。

手作りのお守りを大会に向けて作る子が現れたり、最終タイム取りみたいなイベントをね、なんかその選手コースの子たちだけのものにしないで、必ず私は伝えるようにしていて。

『選手はね、もうあと3日で最終のタイム取りなんだよ』みたいなことを言うと、応援メッセージボードみたいなのを書いて送る子が現れたりして。

それをやっぱり選手の子たちってプレッシャーすごい抱えながら頑張ってるから、それに涙して喜んでくれるわけですよね。選手の子たちが『みんなのおかげで頑張れる』みたいなことが起こると、やっぱこう『なんか必死でやるってすごいかっこいいんだね』みたいな空気が広がっていって。
大会当日の感動
学年全体への広がり

で私はその大会の日って、私体育部の中心じゃなかったから、ついていけることもあればやっぱり残る側の先生組に分かれることもあったんだけど、残る時にも選手についている時にも思っていたのが、やっぱりみんなが一個になってその駅伝大会に向かって応援していた。

だから残った時で言うと、みんなは自習課題を渡されて一生懸命やるわけなんだけど、私のところに来て『自習課題半分の時間でみんなの協力して終わらせるんで、残りの時間は選手へのメッセージを書く時間にしていいですか?』みたいなのを言う子が現れる。

で私6年生の時にその子たちに言ったのは、『これ4組だけでやるの?』『それってさ、同じように頑張った3、2、1組の子たちってどう思うんだろうね?』って言ったら、『学年全体に広めていいですか?』っていうのはあって。

で学年の先生に相談して、『こういう子たちが言うと思うんですけど』って言ったら、先生方も『いいね、いいね』って言ってくれて、その学年全体の動きになったりみたいなことが起こっていて。

『自分たちのアイデアで物事って動いていくんだ』『変わっていくんだ』みたいなことを残っている私も味わえるわけですよね。
速報と感動の瞬間

その上で速報っていうのが入った時に、『男子3位、女子4位でした』みたいな時に、なんかこう歓声とか悲鳴とかが上がるみたいな風になっていくと、帰ってくる選手の子たちを迎える声も目も違うし、その頑張りっていうのを讃えるっていうところで言うと、すごく大きな学びだったんじゃないかな。

根性を鍛えるっていう風に言うと、そういうものだったと思う、私の駅伝大会との関わりっていうのは。
現代社会への疑問と答え
厳しい練習への批判

やっぱでも、走るっていうのを多分現代社会はね、推奨できないと思う。『何でそんな厳しい練習してんだよ』っていう話で。

でも、吐くまでやりたいって、『絶対手抜きたくないんだ』って言って放課後も必死に走ってたあの力を生み出していたのは、やっぱり元々の負けん気もあるけど、みんなの応援っていうのはあったし。

すごくその選手コースの子たちとか立派だったなって思うのは、その後、持久走大会っていうのがあるんですよ。持久走大会ってみんなでゴールするから、順位とか関係なくていいよねみたいな流れになってるとは思うんだけど、タイム取りっていうのは私は割と頻繁に自分の成長度合いを見るっていうところで言うとするようにしてたんです。
選手の思いやり

そうすると選手の子たちなんかは、『自分たちは今日本気のやつが放課後ある』っていうところで言うと、『応援側に全力で回りたいんですけどいいですか?』っていう話があって。

私最初『サボりたいのかな?』と思って、『ん?どういうこと?』っていう風に聞いたんだけど、『走るのって辛い時とかあるし、苦しいなって思う時とかあるし、苦手な人ほど苦しいと思うから、ラストから声張り上げて盛り上げます』って言って。

一番遅い子、ゆっくりな子の後ろで『大丈夫、大丈夫』って『腕振って、腕振って』っていうのを手を引きながら、選手コースの子たちが最後を盛り上げるっていうのをその日やってくれて。

そしたらその子のタイム1分上がったんですよ。1分が上がるってすごいじゃないですか、本当に苦手な子だから。

その子が『足早くて本当にムカつくなって思ってたんだけど、こんなに温かく支えてもらって、本当にかっこいいなって思った』その子が感想を話してくれたりしてて。

『こういう関わり合いが得意不得意で支え合えるって本当に素敵なことだね』みたいなことも話すようなエピソードがたくさん起こって。
感動の最終日

最後、走って戻ってきた選手がいないのを見ると、『お礼を一言言いたい』ということで一言ずつ言っていくんだけど、その中でもう本当に涙がたくさん起こっていくみたいなことが駅伝大会で毎回起こってきた。

本当に成長するんですよね、子どもたちが。辛いからやめるとかじゃなくて、それを乗り越えた先にどんな世界が見えるんだろうっていうのは、選手コースの子たちが一番率先して見せてくれたし。

『応援って当たり前のことじゃない』『頑張れるのも当たり前のことじゃない』みたいなところをみんなで学んでたんじゃないかなって思います。
まとめ:本当の「根性」とは
押し付けではない成長

なので、根性っていうのは、こっちで押し付けるものじゃない。やっぱり世界で活躍してる人とかトップ走ってる人ってそれなりの根性はあってやってると思うんですよ。

でもそういうのって普段あんまり子どもたちの目に見えないところにあったりするけど、それを目の当たりにしながら輝いていって、それでもプレッシャーに苦しんでいる友達をどう見るか、次自分が何か苦しいものに当たった時にどうしたいと思うかっていう学びにしてたんじゃないかな。

だからやっぱりあの地区にはその駅伝大会っていうものがあったから、その後私がどんなに厳しいこと言っても全然くじけなかったですからね。『やり切ります』って『僕らにはできます』っていうのはよく子どもたちが言ってたのは、そういうところからも育ってってたことなんじゃないかなっていうふうに思います。
めちゃめちゃかっこいいっすね。


かっこよかったよ、選手コースも応援してるみんなも。めちゃめちゃかっこよかった。私もだから頑張れてたところがすごくあったので。

なんかね、無理はいけない、競争は良くないみたいなのはあると思うけど、でも実際の社会に競争はあるし、無理してやるからこそ得られるものもあるみたいなところは、なんかそういう経験から身につけていけるものなんじゃないかなというふうに思います。
最終的な気づき

まとめると、『頑張ることのかっこよさ』と『頑張ることで得られるもの』っていうのを、やっぱり子どもの頃からちょっとずつ経験していくことは私は大事だと思う。

その時に私は選手コースの子たちにも、クラスの子たちにも結構厳しいこと言ってたなと思います、振り返って。だって選手の練習きついのに、クラスでの態度、『どういう姿勢でやるの?』みたいなところまで求めたし、『選手が頑張っているのに何やってるんだよ』って言ってたけど。

そこを通じ合ってこそ、子どもたちが自分ごとに、本当に私よりもずっと大人のように成長していったところってめちゃくちゃあったので。

先生だったり親御さんが大切にしてるものっていうのはいろいろあると思うけど、子どもたちって頑張る...これはこっちが無理させるっていうよりは、『こういうことが大切だと私は思うけど』みたいなところは伝えて向き合っていくことで得られるものもあるんじゃないかなっていう風に思います。
めっちゃいい話、ありがとうございます。

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