現代の教育現場で深刻な問題となっている学級崩壊。緊急保護者会が開かれるほどの状況に直面した時、保護者として何ができるのでしょうか。今回は、教育の専門家であるのんちゃん先生が、実際の相談事例を通じて、学級崩壊に対する新しい視点と具体的な対応方法について語ります。
学級崩壊の現実と保護者の悩み
先生、学級崩壊が起きた時って、結局保護者は一体何ができるっていう感じなんですか?

保護者ができることですか?


うん、うん。これ、すごい質問たくさんいただくんですよ。
実際の相談事例:緊急保護者会レベルの学級崩壊

どうやらうちの子のクラスがちょっと様子がおかしいと。だったり、私が一番最近で相談を受けて、『なるほど、保護者ができることってそれなんですね』って喜んでもらったケースで言うと、緊急保護者会が開かれるレベルの学級崩壊でした。

もうクラスが成り立っていませんと、校長先生とか教頭先生とか管理職も入っています。クラスに担任一人では見られないっていうような状況になっていますっていう緊急保護者会が保護者さんたちからの要望で開かれた。

すごくひどいいじめも起こっていて、加害者の、被害者のお子さんが転校するという決断をし、加害者の親に謝れと保護者会で揉めて、『謝らない、うちの子が悪いわけじゃない』みたいな。先生がしっかりしもっと大してせずにみたいな風に保護者同士も保護者会で揉めて、先生が泣き崩れるっていうような状態になって。

その相談をしてくださった方は、どちらの加害者側でも被害者側でもない。うちの子は割とあまり無頓着で静かなタイプだから、こうなるまで学級がそういう状態だっていうのも、ちょっと親として全然気づいてなかった。『何やら学校がつまらない』とか、『何やら仲いい友だちとかもいないんだよな』みたいな発言はあったが、あまり気にしていなかったみたいな感じで。

つい最近のことなので一学期終わりですよね。こういう状態になった時って、親が何か手伝えることとか?子どもにどうやって関わったらいいのとか、先生にどうやって関わったら少しでも先生がマシになるって、言い方はあれですけど、とにかくこの学級でこれから二学期三学期と過ごしていくのに、一学期でこれじゃあ先が思いやられすぎると。で、親として何ができるかなみたいな相談を受けましたね、最近で言うと。
学級崩壊を職場に例えて考える

でお伝えしたのは、その学級の様子、緊急保護者会で開かれた学級の様子をその保護者さんに聞くと、全く授業は成り立っていない状況である。先生に対してかなり反抗的な口の聞き方だったり、席に着席しない子っていうのが結構な人数いるっていうことがわかったので。

私がお伝えしたのは、正直、学級崩壊を何とか立て直すために外側からできることっていうのは、あまりありません。これは私の実際の体験談っていうのでも出てるんですけど、外側から何とかしようと関わるころってあまりいい結果を生まないんですよ。

で、ちょっと想像してみてくださいと、その親御さんにはお話ししたんですけど。大人の世界で言うならば、派遣とかで集まっている人たち30人くらいをマネージャーとして統括してねという仕事を任せられました。全然うまくいかず、『こんなマネージャーだからダメだ』『こんな人のもとでは働きたくない』って離職者もいっぱい出ていてっていう異常事態。

これが学級崩壊と大人の世界でいうと捉えてもらっていいですかって言って。で、じゃあそのマネージャーだったとします。毎日どんな思いで仕事に行っていると思いますか?と。

先生が泣き崩れた。そこで泣き崩れた男性の先生らしいんですけど、泣き崩れたっていうのは、四月の頃はずいぶん自信ありげに見えたのにっていう発言が保護者さんの方からありました。四月の最初、『ここが自分に任されて、ここをもっとより良いものにしていくんだぞ』と思ってマネージャーについた。

『つまらない』『お前なんかがいるから』離職者が出る、反抗的で仕事をやらない人が出るとかって業績も散々。上司がつききりで見てないとできないっていう話があって、上司が二人ほど入っている状態です。毎日どんな思いで学校に行っていますか?と言っていると思いますか?

その時に親御さんがおっしゃってたのが、『その視点は全くなかった』『それはきつい話だね』って。
教師も親と同じ、突然その役割に

この学級のマネジメントっていうのを、私たちは教わらずに教師になっているから。あの言うならば、お母さんたちと一緒だと思ってるって。母親練習とか母親のためのなんちゃらテキストとかの資格を取って何かを得て母親になるかというと違う。突然親になるじゃないですか。

それと一緒の状況で、先生っていうのも突然先生になって。クラスをその派遣の人たちを全部まとめる統括に、『初めてこの会社に来ました』みたいに任せられて今までやってきたみたいな経緯があって。

男の先生の感じで言うと、今までうまくいったクラスもあって、移動してきてすぐその学年を持たされている。で、他年もいろいろ大変だったらしいんですよ、その学年。だとすると期待をされて、『あなただったらきっとできるだろう』と移動してきてすぐにそこを任せられた時に、ボロボロで、上司が見てないといけないっていうような感じになって。

で、あのもう緊急保護者会が開かれるくらいだから、だから派遣元の会社の人たちボスとかが全部集まってきて、『一体何なんだ』と。そこでいざこざが起こるような事態で、必死に生きている先生がいる。

正直、その状態になって、鬱状態とかメンタルダウンをしてしまって、教職を離れる先生っていうのは、たくさん見てきた。たくさん見てきたけど、その先生は毎日学校に来てるんだねって。

だとすると私だったら、『こんな中、先生がそれでも毎日学校に来て子どもたちを見ようとしてくれている姿勢に心を打たれます』『ありがとうございます』と伝えたい。
外部からの介入より、感謝と労いを

望むのは先生を...いろんな案を親御さん出してくださったんだけど。例えば保護者が交代で大人の数を増やす、保護者が交代で教室に入ることで見ている大人の目を増やしたらマシになるんじゃないかみたいな案もあったんですよ。

でも、じゃあ想像してみようって。そのマネージャーとしてそれをやっている立場で、親会社の派遣先の大元のボスみたいのがいっぱい来て見張られることが、そのマネジメントがうまくいく方法に聞こえるだろうかみたいな。『そうですよね』って。

それってマネージャーの立場としてもそうだし、派遣に来ている子たちからすると、『この人どうしようもないから周りからこんなに大人が集まってきて』『うわーやば』っていう感情を産むものだと私は外側から関わっていて思ったことがある。

もうすぐ面談があるっていう話だったから、その面談で保護者さんの立場だから。派遣先の大元のボスたちに例えば30人に会うとしたら、30人にどんな言葉を言われているか想像すると、もう私は心が潰れそうだと感じる。

これはこの先生がサボったからな感じは、私は聞いていてしないって。四月の頃の生き生きとした感じ、泣き崩れて『すみませんでした』と緊急保護者会で頭を下げた先生が、サボってて適当にいい加減にやってきたようには聞こえない。

こういうことがたくさん起こっているのが日本の教育で、その中で潰れていった人たちがたくさんいる。だとしたら、かけたい言葉は、『こんな中でもそれでも向き合おうとしてくださってありがとうございます』『できることならば、何でも力になりたいと思っている』『でも先生自身のことも大切にしてくださいね』って。

『うちの子は、それでも学校に行って学校を休むとは言わないし、言っているのは先生がそれでも向き合おうとしてくださっているその姿勢なんだと思います』と、私だったら伝えますと言って。
子どもへの関わり方と学級崩壊の意味

あとは、お子さんがどうやら元気がない状態だったり、どうやら辛そうなことがあったとしたら、お母さんがいつでも聞くよっていう立場にいることで、どれだけ力になるかっていう話だし。

私このことはよく言うんですけど、学級崩壊を子どもたちが経験することって、ブラック企業プチ入社体験みたいな感じで、将来考えた時にそんなに悪いことばかりじゃないんですよ。だって、いろんなことがあるもん、組織に属するっていうのは。

だから、その中で『あなたがこんな風にできたんだね』『そんな中であなたはこれを選んでこうしたんだね、素敵だね』っていう関わり方でいった時に、そんなに悪いものではない。人が集まればいろんなことは起きるから。

で、なんかどうやらうまくいかないことがたくさん起こるのが今の日本の教育なんじゃないかなと私は思っているので。別に来年も起こるかもしれないし、再来年も起こるかもしれない。

でも、その時に子どもたちに見せたいのは、攻め合う姿じゃなくて、お互いを労ってお互いを思いやって、この環境でどうやって自分が生きていくかを大人が決めていく姿を見せる方がいいと思ってっていうふうに言ったんです。
実際の面談での先生の反応

でお母さん、実際に面談の時に先生にそれを伝えた時に、先生が、これは悪い意味じゃなくですよ、泣き崩れて、『こういうふうに見てくださっている方がいるんだっていうことがすごく力になったって。』

『もう正直恥ずかしいけど死んでしまおうかくらい思う毎日だから』『本当にありがとうございます』って。『僕ももうちょっと頑張ってみます』っていう先生のまっすぐな眼差しを見た時に、親御さんも自分も頑張ろうって、頑張ろうって悪い意味じゃないと思うんですけど、頑張ろうと思ったし。

『子どもを応援していこう』って、『先生を応援する目で子どもと一緒に見ていこうって思えたんです。本当にありがとうございました』ってお礼のメッセージをいただきました。
学級崩壊への新しい視点

なのでそうですね。学級崩壊が起こった時に、誰が悪いとか何とかしてやろうってみると、それって子どもにも伝染していくのかな、それって何かいいことを思うのかなって私はずっと感じていることなので。

それでも関わろうとしている先生がいることとか、それでもなんやかんや言いながら通っているお子さんがいること、ここに対する感謝と労いのメッセージをかけ続けたり、『いろいろあるけど、なんだってできるよね』っていう立場として親御さんがいることって大きな力になるんじゃないかなと思います。

まとめると、じゃあ学級崩壊、学級崩壊ってすごく騒ぎ立てられるけど、組織崩壊している職場だっていっぱいあるわけですよ。挨拶もない、会話もない、上司はパワハラなのか、部下が全然言うこと聞かないとか、言って、ただただ仕事をこなしに『あんな職場』って言いながら通っている。

何が違うの?って。大人がやってることと学校で起こってることと何が違うの?って思います。いろんな環境は生まれるし、それをもっともっとうまく、みんながやりやすいようにしていこうって私は思って、なんか発信とか活動を広げていこうとは思ってるけど、何もかもうまくいく組織なんか別にない。

それを誰のせいだって言い合うんじゃなくて、その中で自分ができること、その中で頑張っている人を労う心を忘れないようにしていくことが、今の社会と向き合っていくには私は大切な姿勢なのかなというふうに思います。
ありがとうございます。

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