【やりたくない】嫌なことをやりたいと思わせる指導方法【どう対応する?】

子どもが「嫌なこと」をやりたがらないとき、親や教師はどう対応すべきでしょうか?教育現場での経験豊富な先生が、子どもが自ら行動を選択し、成長できる環境を作るための具体的な方法論を、ユーモアを交えて語ります。

のんちゃん先生、子どもが嫌なことを絶対にやりません。どうしたらいいでしょうか。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

嫌なことね。嫌ですよね、やるの。なんでそれをやって欲しいと思うかじゃないかな、親御さんが。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

嫌なことは何なのかわからないけど、例えば何なんでしょう、勉強とかかな。勉強とか学校でやっている授業の何かかな。なんでそれをやった方がいいのかっていうのは、多分どう伝えるか、伝わり方でやろうと思うか否かが変わってくると思うから。どうして嫌なことをやる必要があるのかっていうのを伝えていくのがすごい大事だと思うんですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

私がそのクラスで伝えていたのは、やっぱり好きなことと得意なことばっかりじゃない、学校でやることは。嫌なことも出てくる。嫌なことを「嫌だからやらない」ってやっていくことって、付き合える人の幅が減る。あと、自分ができることの幅をどんどん自分で可能性を減らしていくことになる。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

やってみないと本当にできないか、苦手か、嫌いかもわからない時もある。ちょっとやってみたら、苦手だと思っていたけどすごい楽しいこととか、「自分って苦手なこともこうやったら克服できるんだ」という学びになったりするチャンスを、自らその可能性を減らしていくことっていうのは、やっぱりもったいないことだと思う、というのはクラスで話していました。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから、ちょっと苦手だな、嫌だなと思ったことも、まずはやってみようって。できることってすごく自分の人生の幅を広げていくことだと思うから、私はたくさんやってみようよ、と言いたいし、できることがどんどんみんなの中で増えていったらいいと思う、みたいな話はしていました。

嫌なことをやる意味を伝える

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから、どうしてそれをして欲しいと思うのか、する必要があるのかっていくつか理由があると思うんですよね。それはその本人の忍耐の問題だったり、本人の好き得意を広げて欲しいなのかもしれないし、それをやってくれないととても迷惑、という話かもしれません。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

人と人とが一緒に生きていく時に、自分の好き得意をたくさん出して、相手の好き得意を出して、補完し合って生きていくのってすごい大事だと思うけど、みんなが嫌いなこともあるんですよ。みんな皿洗いが嫌いとかね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

一緒に生きていく時に、じゃあですよ、みんなでお金を出し合って食洗機を買うのか。お手伝いさんを雇って、そのお金を出すっていうところで解決することもできるわけなんだけど、例えば差し当たってそこにお金をかける余裕がないっていう場合は、嫌なことだけど分担するしかないじゃないですか。分け合ってやっていく、その一緒に共同体として生きていく時に。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから、なぜこれを嫌いでもやってもらう必要があるのか、そのことで本人の人生にとってどんな意味があって、どうしてそれがいいことなのかっていうのは、伝えていくことがすごく大事だなっていう風に思います。

共同生活における責任と選択

のんちゃん先生
のんちゃん先生

で言うと、その後者の、一緒に生きてるんだからこれはやろうよ。私もこれ嫌いだけどお皿洗いしてるよ、と。それでお皿洗いもしない、洗濯もしない、食事も作らない、「やだ、めんどくさい、ゲームやってたい」わ。一緒に住んでくれる人がこの先いなくなるよ、というところは、やっぱり「やろうよ」というか「分担しよう」。それをやらないんだったら何ができるのっていうのは、お互い平等に考えていこうよ、というのは、割と意味もそうだし、「じゃあしょうがないね、やんなくていいよ」っていう話じゃないと思う。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

1人で孤独に、本当に誰も「あなたとは一緒にいたくない」という中で生きていきたいなら別だけど、私はそんな人生をあなたに歩んで欲しくない、というところで話していいと思うんですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

でも本人の成長のためにした方がいいけど、でも本当に嫌なんだね、みたいなもので言うと、私はクラスとか、あとは今、宮古島とかで関わる子に関して言ったら、「嫌だ、嫌い、やりたくない」って言ったら、「あ、そう、すごい残念だね。私は一緒にやりたいと思ってるよ。やることでこういう意味があると思うよ。すごくやってみないと分からないし、挑戦してみる事っていうのがすごく大事なことだと思うよ」って言っても、「嫌だ、やりたくない」って言ったら、やろうとも言わないし、「やれ」とも言わないんですよ。

調理実習を拒否した生徒への対応

のんちゃん先生
のんちゃん先生

例えば家庭科の調理実習で、「やだ、調理実習はやりたくない。もう火にも触りたくないし、包丁を握るのもめんどくさいので絶対やりたくない」と。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

「いや、将来のためを考えるとね、料理っていうのはできた方が良くて、いつも料理を作ってくれる人がそばにいるわけじゃないから、経験を積んでいくことってすごく大切なことだと思うよ」みたいなことを言っても、「嫌だ。私はお手伝いさんを雇えるし、こうだから全然いらないし、コンビニの弁当でいい」みたいなのが返ってきたとしたら、「そうですか、それは残念ですね。それで損をするのはあなたなので、これ以上はいいです」と。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

「教室にいられるともう1人大人がつかなきゃいけないことになるので、こちらの迷惑になるので、家庭科室の外に行ってもらうことは可能ですか?」っていうのは聞いて。家庭科室の、みんなの邪魔にならないこちらのスペースで椅子は用意するので、そこでみんなの迷惑にかからない何かで過ごしてください。本読んでてもいいし、計算ドリルとかやっててもいいと思うんですけど、それを決めてもらって。「それだったら共存できるので、ここで過ごしてもらっていいですか?」って言って。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だいたい調理実習って2時間あるんですけど、そちらで過ごしていただく2時間。の上で、調理実習やってる側はめっちゃ楽しくする。「いやだって楽しんだって、やってみることはいいねって。よくわからないけど挑戦してみることって本当大事だよね」って言いながら、すごい楽しく過ごす。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

終わった時に、私はやっぱり一緒にやりたかったと思ってる、今でも。あなただったらちょっとくらい苦手だとか、ちょっとくらい嫌なものでも、みんなとだったら少しは楽しいなとか、なんかちょっと何々作ってみようかなとか思っても思わなくてもどっちでもいいけど、でもやっぱり一緒に学びたい。せっかくこうやって出会って、せっかく同じ教室にいるわけだからと思ってる。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

で、次回も同じように誘いますけど、次回もこのようにこのスペースでこうやって過ごしますか。私はすごくもったいないことだと思うけど、って言うと、だいたい1回やると懲りる。つまんなくない?つまんないですよね。周り楽しそうにしてるのに。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

結構反抗心とかで最初言ってたりするんですよ、「嫌だ」って。説得してくれるかと思いきや、全く説得もしてこない。「やりたいと思うけど」と。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

「あ、そうでしたらこのスペースでこれです」と、あなたができることは。めっちゃめっちゃ楽しそうやないかい、と。こっち側すごい盛り上がって、「おいしいね」とか言ってやって、だいたい次からはね、そしらぬ顔で参加してるんですよ。そしらぬ顔。「あ、参加するんだな」って嬉しいなと思って、「一緒にできて嬉しいよ」とは言うけど。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

「参加する気になったんだね」みたいなのはうざいじゃないですか。私だったらうざいんですよ、そういう風に言ってくるの。だってね、こっそり参加したいわけですよ、こっちは前回意地張っちゃったわけだし。で言うと、ニコっとして「一緒にできて嬉しい。やってみて少しでも楽しいが見つかったらすごく嬉しい」はこっそり言うけど、「お、参加する気になったか」とか本当うざいから言わないけど、本人が決めてやってみようって思えること。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そう思える環境をこちらが作っていく努力をすることは、こちらにできるけど、「やれ」って命令してやらせてみましょうよ。ずっと「あいつがやれって言ったからやってんだよ」って言われるんですよ。やだ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

その大切さとかは伝え続けるし、少しでも参加したいなと思う環境は作り続けるし、声はかけ続ける。そこが私にできることだから。でも決めるのは本人ですよね。いいですよ、調理実習なんかしなくても死なないから。ちょっとなんか意地張って過ごしてることで、ちょっと友達が減ったり、一緒に働ける仲間が減るくらいなもんじゃないですか。損するのは向こうだし、私の人生じゃないし、知らないって思います。

逆にのんちゃん先生って、子どもになぜ嫌なのかっていう理由は聞かないんですか。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

聞きます、聞きますよ。理由は聞いた上で、だから出てくるわけですよ。「私はコンビニの弁当でいい」と。「うちにはお手伝いさんがいて料理をする必要はないし、お母さんも料理をしてる様子は全くないし、お惣菜なんかどこでも売ってるし、Uberで頼めば全然料理なんか必要ないのでやりません」と返ってくるわけですよ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そしたら、「あ、そうですか。もったいないと思うけどね」で、説得はしない。「じゃあそうやって生きてけば」って。ただ思うのは、すごい感じが悪いなと思う。そこまで伝える。でもその上でいいと思うんですよね、別に。自分で決めてるわけだし。ただどうやったらその子が少しでも参加したくなるかな、はこっちの腕の見せどころなんで。みたいな感じかな。質問はね、しますよ。「なんで?」って嫌だって言ったから聞きます。

あとはもう一つ、すごく楽しそうにするっていうところもポイントなのかなって今聞いてて思いましたね。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

私のこれは価値観ですけど、学校の先生をやっているのであれば、子どもたちにさせること、させなければいけないことがたくさんあるわけですよね。席に座らせなければいけない。話を聞いてもらわなければいけない。朝の会に参加してもらって、1時間目の国語受けてもらって、算数を受けてもらって、休み時間に出てったら帰ってきてもらって。音楽をやって、調理実習もやって、みたいなあるわけじゃないですか。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

で、これをいかに楽しいものにするか、こっちの問題。それは私の仕事でしょ、という話。で、「参加してくれないんだもん」って言っててもしょうがないじゃないですか。じゃあ参加してもらえるためにどうするかは自分の課題。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

私は全力でやるから、そういう子がいる時ほどいい授業になるから頑張る。次の調理実習、絶対に楽しいものにしてやろう、と思うわけですよ。ちょっとでもやってみようと思うものにするためにはどうしたらいいかっていうのを考えるんですよ。それは私も成長して、成長させてもらってありがとう、っていうところですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

とは思いますね。嫌いなことをやらない。じゃあどうやったらやるかは、こっちがやって欲しいのであればこっちが工夫する。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

それが共に生きていくためにやるべきでしょ、お互い譲り合いながらやるべきでしょ、ってことをやらない時には、その他のものに参加する権利も剥奪していいと思うんですよ。そうじゃないですか。将来ルームシェアをしたとして、なんら家事をやらない人は追い出されますよ。逃げていきますよ、ルームメイトが。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

で、将来そうなるだろうっていう時には、だったらここは一緒に使いたくありませんので、やるべきことをやらない人はここで生活してください、ぐらいなことは、必要なしつけだとは思いますね。登板活動とかしない子は、お楽しみ会にも参加できないし、クラスの遊びにも参加できない。「当たり前だよね」って言ってました。

授業を楽しくするための設計

とはいえ、どうやって楽しくさせればいいのかわからないっていうのもあるじゃないですか。先生とか、授業をどうやって楽しくすればいいかわからない。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

そうですよね。つまんなそうですもんね、だいたいね。カットカット今の。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

子どもの気持ちになって私は考えるんですよ。これ相手がどう受け取るかで設計するんですけど、例えば社会の授業でとてもつまらなそうな授業があったんですよ。教科書を見た瞬間から「わあ、つまらなそ」って思ったわけです。「ここやばいな」と。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

すごい、社会の5年生の情報関連のところって、皆さん5年生の担任持たれる方が「うわ、つまらなそうだなって」思うところなんですよね。

例えばどんな感じなんですか。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

どうやって楽しく教えよう。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

私がその時「どうしよう」って思ったのは、テレビ局の仕組みについて、テレビ局について調べて、テレビ局がどうやってテレビを放送しているかを調べて学びましょうっていうやつ。そこだけ聞くと面白そうに聞こえちゃうかもしれないけど、本当に私絶対やりたくないと思った。興味ないもん。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

アナウンサーがいて、原稿作る人がいて、カメラマンがいて、会議があって、そして放送されるみたいなやつが、なんかずっと文でぶわって書いてあるのを、「テレビ局っていうのはこうやって放送してる」っていうのをノートにまとめましょうっていう授業なんだけど、「わあ、やりたくない」って思う感じするじゃないですか。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

これ普通にやったら本当につまんねえなって思ってる子が多分8割9割で過ぎていく授業なんです。本当にいやだなと思ってさぼることが出来る子はまとめない。黒板に書かれたことを適当に書いて提出する。頭にはかけらほども残らないっていう授業になるだろうという感じがすごいするわけです。「やべえ、やべえな」と。「ああ、また来た」みたいな感じがして。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

じゃあどうしようかなって思った時に、目的論、アドラーの目的論で言うと、ゴールから設定するんですよ。この授業が終わった時に、あのやんちゃっ子、あの社会が嫌いなあの子、「めんどくせえ」ってめっちゃ言いそうっていう子が、最後なんて言って終わったらいいかを描くんですよ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

私が思ったのは、すっごいやんちゃっ子のK君がさ、最後「テレビ局やばくね?超受けんだけど、面白!」って言ってたらいいなと思ったの。じゃあそのためにどうしたらいいかなって設計するんですよ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

まずテレビ局って自分の身近であって、「すごい知ってる知ってる」みたいなものになったらいいな。大人って色々工夫してるけど、なんか工夫してるからああいうテレビ番組ってのが出来上がってるわけだけど、「なんかできそうな気がするけど、そんな工夫あったの?すご!」みたいになったらいいなと思った。

ニュース番組を自分で作ってみる

のんちゃん先生
のんちゃん先生

組み立てたのは、一番最初に導入として、「皆さんニュース見たことあります?じゃあ知ってるニュース番組をあげてみよう」って言って、『ズムサタ』とか『めざましテレビ』とかっていう時間を1分間ぐらい取る。これで「知ってる知ってる」みたいになるじゃないですか。これで自分ごとになりますよね、身近だな。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

じゃあニュースが、ニュース番組がなかったら困ることある?助かることって何?っていうの聞いたら、「なかったら困る」は多分いっぱい出てきたと思ったんですよ。「いや、別によくない?ニュース番組なくても」みたいな感じでやってた。「いやいやいや、困る困る」と。「なんか色んなニュース知らないと危険にさらされるかもしんないし、事件が起こった時にやっぱり知っとくことっていうのは、すごい自分の持ってる情報としてすごい大事なことを伝えてくれてる」みたいなのが出たとしたら、「そうなんだ、ニュースって必要なんだね。じゃあ作ってみようよ、ニュース番組」ってやろうかなって。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

では明日の給食時間の学校のテレビ放送、学校内放送ね、をジャックしますと。5年4組で電波ジャックします。そして知ってますか、今インフルエンザがめっちゃ流行ってます。インフルエンザがどれだけ流行っていて、何が必要で、皆さん気をつけてくださいね。インフルエンザを流行らないように自分でこれが必要ですよね、みたいなニュースを流したい。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

何が必要で、どんな調査が必要で、どんなインタビューが必要で、どういう情報が必要かを今から10分間でグループごとに書き出そう、どうぞって言って時間取ったんですよ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そしたらなかなか面白くて、あるグループが言ってたのは、「インフルエンザになった人のお母さんにインタビューをします」と。「どれだけ手洗いうがいをしていなかったのか。『うちの子本当に帰ってから手洗わずにご飯食べてて』みたいな。見てください、やっぱりインフル」みたいな動画を撮ってくる。「マジか、それ面白い」と思って。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

「そうすると手洗わなきゃやべえなってなると思う」みたいのが上がってて。あと学級閉鎖になったクラスの先生にインタビューをする。「ティッシュはんかちをどのくらいその子たちが持ってきてなかったか」とか。換気が足りなかったとか、その先生に「なぜそのクラスが学級閉鎖になったのか」をします。そしてなんか学級閉鎖になってない、欠席が少ないクラスの先生にもインタビューして、「だからこそ換気をし、湿度を保ち、手洗いうがいが必要だ」っていう動画にまとめます、みたいな。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

面白いじゃん。そんなインタビュー取れるかなとかって思うけど、大人はね、「なるほど」って。みんなで回していくんですよ、大喜利みたいになるんですけど。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

では実際にインフルエンザについて、そのニュース番組でやっていた3分間の映像を流します。「是非自分のと比べてどうだったか。一体テレビ局っていうのはどんな風に何の情報を集めて分かりやすい何かを発信してるかっていうのをちょっと見比べてみて、気づいたこと後で教えてね」って言って流したんですよ、実際のニュース番組3分。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そしたらすごい子どもたち言葉を失ってて。「すご、なるほどな」って言ってたのは、まず日本国の一体何型がどのくらい流行っているかっていうグラフがバンって出た。その上で専門家の先生、医師、病院の先生が、「今年の傾向と、あと予防接種を受けた人が例年よりも少なかったんだ」って話をして。「去年よりもこれだけ多くなってきてしまっているから」っていうので、実際の対策みたいなことを話して、学校でどのくらい流行ってるのか、会社がどのくらいのものなのかっていう、その全国の比較グラフとこの地域の東京関東ら辺のが出て、専門家の先生が出て終わった。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

やっぱり医者に聞いた方がいいよなっていう話になってたのと、全国の比較とかグラフっていうものが、視覚的に表す効果みたいなに気づくわけじゃないですか。「やべえやべえ、グラフ作るのめんどくさくない」みたいな話になってて。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

じゃあどうやってこのニュースっていうのが作られてるのか、どのくらいの人が関わっているのかっていうヒントを今から10分間ぐらい取るから、教科書の中から見つけ出して、自分たちとの違いはどこなのか、テレビ局の凄さはどこなのかっていうのを後で教えてねって言ったら、みんなバーって開いたんですよ。調べたいと。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

で、最後その男の子が言ったの。「テレビ局すげえな、やべえな」って。設計通り。いうような授業の組み立て方をする。

調理実習を盛り上げる工夫

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから調理実習の時とかも、楽しくするためにはどうしたらいいかって言うと、人が楽しいって感じるのって、新しい発見とか、意外とか、なんかこう「マジで?」って言いたくなっちゃうような瞬間に楽しいじゃないですか。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だからそういう瞬間を、じゃあ鮭のムニエルを作る時に、どうやろうかなとか。野菜を茹でて、その茹でると傘が減る。野菜ってほうれん草ってこのくらいだけど、茹でるとこんなになるじゃないですか。なんかその辺の驚きと、自分で作ってみたドレッシングの美味しさとか、どういうところを工夫したら何が増えるかみたいなのやろうかなと思って設計したんですけど、なかなかに盛り上がった。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

まず、ほうれん草を見せるんですよ。「買ってきました、ほうれん草です。皆さんの班にも1個ずつありますね。立派なほうれん草ですね。これが茹でたらどのくらいになるのか、その班でこのくらいっす」っていうのを紙で作ったんですよ。「いやこんくらいじゃない」っていう。こうちぎってね、丸めて「このくらいです」っていうのとなんか結構班によって違いがあって、「そんなちっちゃくなんねえだろ」みたいなのとか、「え、もっと減るって」みたいなのが1班から8班まで揃ってこう貼ったわけですよ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

で、「じゃあ茹でてみましょう」と。「どの班が勝つかは、皆さん茹でたものと見比べて、どの班かっていうのは予測してなんかやってみよう」って言って茹でたら、びっくり。すごいちっちゃくなったと。「いや3班じゃん、これ。3班馬鹿にしたけどごめん」みたいなのが出てきて。かさってこのくらい変わるよね、みたいなところと。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

ドレッシングの材料の例があるわけなんだけど、その酸味強めでいくのか、こうなんかちょっとまろやかな方がいいならマヨネーズ多めとかで予測を立てて、班オリジナルのその分量にしたわけです。教科書に書いてあるやつだけじゃなくて、そのまま作ってもいいし、まろやかさ足したいならマヨネーズでしょとか、酸味出したいならお酢多めでしょ、みたいなのをやって。で、その班オリジナルのドレッシングにしたんですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

その上で試食用っていうのも残しといていいよって。「うちの班の1番美味しいから、他の班の人もどうぞ召し上がれ」っていう試食用っていうのを用意して。で、私が審査員として回ったわけです。「なるほど、工夫したポイントはどこですか」とか言って、何を増やしたか当ててください、みたいなやり取りをしながら回ったわけです。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

どこも星5つでした、みたいな。美味しかった、みたいなやつで盛り上がったのが、その野菜を茹でようみたいなやつだったんですけど。ただただ指導をするよりも、そうやってやった方が盛り上がるし、工夫したいって思うし、楽しいかなって思ってやり切ったのがその授業なんですけど。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

子どもの立場に立って、最後どんな声が聞こえてたらいいのか。この授業をすることでどんな発見があって、子どもたちが明日から何に活かそうって思ってたら最高かなっていうのを描いた上で考えるんです。これがね、面白い。で、はまった時によっしゃって思う。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そういうやる気のない子がいる時にすごい燃えるんですよね。絶対楽しいものにしてやる。その時も考えたんですけど、という風に組み立てていくと楽しいし、やれることは本当にたくさんあるなっていう風に思います。

選択と環境づくり

のんちゃん先生
のんちゃん先生

まとめると、嫌いなものはみんなやりたくないんですよね。私もやりたくない。で、それをやってほしいな、成長の機会にして欲しいなって思うのであれば、それをどれだけ楽しいものに、楽しい目的を伝えて、少しでも子ども自身がやりたいなと思えるようにするか否かは、こちらの腕の見せどころ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

その上で、やらせるのではなく、頼み込んでやっていただくのではなく、本人が選択する。でも次はやろっかなって言わせたら勝ち、というところに全力を注ぐんですけど、私は。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

嫌なものはやりたくないものだから。でもそれに挑戦してみて、少しでも前に進んだ時に、「ほら、いいでしょ」って。「やだ」と思ったけど、やってみることってこんなに素敵なことでしょ、というのを伝え続けるってのが大事かな。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

それと分けたいのは、協力して生活していく時にお互いやるべきでしょ、みたいなことをやらないって言ったら、その分の権利を剥奪する。「だったら私もこれやらない」とか、「だったら今日のお夕飯は食べられないね、残念だね」みたいなところは、やっぱり人と生きていける人に成長して欲しいなと思うんだったら、自然と対応するところなのかな。この2つがあるのかなっていう風に思いました。

ありがとうございます。

生徒T
生徒T

この記事を書いた人: 梶谷希美

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