【子どもの忘れ物問題】忘れ物ばかりする子は忘れ物をさせろ!【どうする?】
【先生ウザい!】いちいち子どものできてないところを連絡帳に書いてくんな!
担任の先生からの連絡帳に、子どものできていないことばかりが書かれていて、ついイライラしてしまう――。これは多くの保護者が抱える悩みです。しかし、そのイライラは、実は子ども自身が解決すべき「課題」であると捉え直すことで、状況は大きく変わります。先生からの連絡をきっかけに、子どもと建設的な話し合いを進め、親子で問題解決に取り組む具体的な方法を解説します。
1.先生からの指摘は「子どもの課題」として捉える
のんちゃん先生、担任の先生が自分の子どものできてないところばかりを連絡帳に書いてきて、正直イラっとします。どうしたらいいですか?
これ、よくあるんじゃないかな。割と大らかな男の子のお母さんとかでよくあるんじゃないかな。「これができてません」「これも終わってません」「これがこうです」。お母さん、もうちょっと声がけを、みたいな。お母さんに対する連絡帳とか電話とかあるんじゃないかな。
先生もね、なんか30何人とかいて見てらんないし、「お母さんもうちょっと見てくれないかな」みたいな愚痴はよく職員室で聞こえてたから、あると思いますね。なんかそういう時にどうしたらいいかって言うと、子どもの問題なんですよ、子どもの課題。お母さんが何とかしてあげることじゃない。
2.連絡帳の内容を子どもにそのまま相談する
で、お母さんとしては気になると思う。なんか自分がちゃんとしてないって言われてるみたいじゃないですか。で、私だったらそれを子どもにそのまま相談します。
なるほどね。
「連絡帳が届きまして、私へのメッセージなんですけど、共有していいですか?」って言って。「漢字ドリル、計算ドリルが終わっていません。雑巾忘れました、ハンカチを忘れました。練り消しを作って遊んでいました。今日も2回練り消しを取り上げましたが、また他の時にも練り消しをしていました。お母さん、声がけをお願いします」と書いてあるのが、私に「なんとかしろ」って届いてるんだけど、どう思いますか?」って。
「いいじゃん、練り消しくらいよ」って言ってきたら、「あの、私に手紙が届くのは私はすごく嫌だ。だって私がなんかちゃんと接してないみたいにすごい先生から言われちゃってるのは嫌なので、この連絡帳が来ないようにご協力お願いしたいんですけど、それはできますか?」と言いますね。話し合い。
だって嫌だもんね。嫌ですよね。そう、練り消しをやめさせるための、なんだろうね。「どうしたら練り消しはやめられると思うの?」みたいなのは聞いてみるかな。
3.問題行動の背景にある「つまらない」を解消する
だからそれで「練り消しやめなさい」って言ってやむくらいだったら、やってないような気がするんですよね。「なんで練り消ししようと思ったの?」って。「つまんないんだもん」とか出てくるんですよ。
そしたら、「つまらないことの解決方法が練り消しであることで、先生を怒らせてしまっている」ということが問題です。練り消し以外につまらないを解消できる、先生を怒らせない方法はないの?みたいな。
私はなんかずっとノートにパラパラ漫画書いてましたよ。あんまりバレないパラパラ漫画とか。なんかその練り消しをやめることっていうよりは、人を怒らせてることが問題だと思うから、「この連絡帳が来ないように一緒に作戦考えて欲しいんだけど」って。この連絡帳が来ることっていうので私はとても困っているから、「どうする?」っていう話し合いをするかな。
子どもの課題なんですよ。これでお母さんが何とかしてあげなきゃいけないと思っても、子どもの手と手をこう持って「練り消ししない」ってずっと24時間見張ってられるなら止められるかもしれないけど、そんなの不可能だし、そんなに暇じゃないし、こっちも。だから、子どもの問題として子どもに返していくっていうのがすごい大事なんじゃないかなと思いますね。
4.先生への対応と自己受容
で、これをする先生の心情っていうのも分かるわけですよ。こう見なきゃいけない子どもがたくさんいて、「練り消しやめて」って言ってるのにやめない。「お母さんが関わって、なんとかしてください」っていうのは、確かにその子とずっと付き合っていくのはお母さんの方で、先生は1年限りの話なので、「お母さんもうちょっと」って言いたくなる気持ちは分かるから。
私だったら「ご指摘ありがとうございます。細かいところ見ていただいて大変助かります」って言って、私はそのようにお返事したんだけども、「これが毎日この連絡帳として届くのは私は嫌です」で、子どもと話し合う。「どうする?」でするかな。
で、お母さんとしてはイラっとすると思うんですよ。「できないとこばっか見やがって」みたいな。「私にどうしろと」みたいな。「なんやねん」とイラっとすると思う。だってお母さんだって忙しいんだもん。「知ったこじゃないよ、学校で練り消し作ってるかどうかなんてね」みたいなところはあると思うんですけど。
でも、なんかそうやって子どもを見てくれている、子どもに興味を持って見てくれている大人がそばにいるっていうのは、子ども自身にとってもいい経験。こういう風にこう細かいところを気にする人もいるんだなっていう気づきを私にも与えてくれるいい経験なので、「子どもを丁寧に見ていただいてありがとうございます。いつも助かってます。子どもと話し合います」でいいんじゃないかな。
なかなかでもそれ言えないっすよね。なんかイライラしちゃって相手に、先生に対して。
でも、イライラするっていうのは、ある気づきじゃないですか。そのイライラがどこから起こってるのかっていうのをくれているわけですよね。「こっちだって忙しいのに」よとか、「大体忘れ物だって、もう10回も言ったってうちの子は忘れるのに」みたいな。それってやっぱ自分が頑張っていることが周りに認められないんですよね。なんか子育てとか教育とかって。子どもが「気にしてくれてありがとう」「いつも助かってるよ」とかあんまり言わないから。当たり前だと思ってね。言うようにしつけをしていけば言うようにもなるんですけど、なんかやっぱり自分なりにこう枯渇していたりするとイライラしやすい。
だから、そう思ったら、「いやあ、大変だね」と。自分もだって頑張ってるもんねっていう声がけを自分にするし、そのまんまお子さんにシェアするのがいいんじゃないかな。「正直イラっとしたよ」って。
なるほど。
「忘れ物しないようにって色々言ってるのに、こういう連絡帳がお母さんに届くって、お母さん悲しい気持ちになってイラっとしちゃうんだけど、イラっとしたくないんだよね。ご協力お願いできるかな」っていう関わりが大事なんじゃないかな。
もしくは、ちょっと自分のしたいことを時間を作って、カフェとか、自分のしたいことをしてちょっと気を紛らわせる。それも大事、それも大事。その子どもの問題として子どもに返していくっていうのが大事だし、やっぱり人の目が、人から「ちゃんと子育てしてる」って見られたいよねとは思うんですよ。
「お母さんのせいにみたいに言われるから。子どもがやらないと」。なるほどね、そう思っちゃうよねって思う。このイライラを先生に対してぶつけるんだよ、みたいな。そこまで言えなくても、「そんなこと言われましても、先生の方で見ていただけませんか」みたいな関係性になると、あんまりいいことがない。先生とお母さんの関係性が悪くなることは、子どもにとってもなんらいいことはない。
だから、自分のイライラがどこから来ているのか。自分の時間が足りないからなのか、子どものこう勝手気ままがすごくマイペースだからそれに疲れているのかとか。正直に「私はこれをしていて、こう返ってくるのは悲しい」と、正直に自分の本音を。これも横の立場になるっていう話なんですけど、「子どもだからしょうがない」とか「子どもに言ってもしょうがない」じゃなくて、共に生きてるわけだから相談しましょうと。「あなたのことで私は困ってる」っていうのは、やっぱり相談し合わないと一緒に生きていくのがきつくなるんですよね。全部こっちが我慢しなきゃ、みたいなのは。
だから、「ご協力頼む」っていうのは、ご相談し合いながら進んでいくのがいいんじゃないかな。「そのいいネタをくれてありがとう、先生」くらいの感じで関わっていくのがいいんじゃないかなと思いますね。
ストレスを下げて余裕を持つ
それぐらいの余裕を持てるぐらいに、自分のストレスを少し下げていく努力をするっていう。
ストレスを下げる努力って大変ですけどね。
大変、大変。だから、愚痴れる女友達とかといっぱい会ってください。そして美味しいお酒を飲んで、美味しいもの食べてとかね、映画見たりとかね。なんか色々こう自分の本音を話せる相手っていうのを持つっていうのはすごい大事だなって思いますね。自分がやりたいことをちょっとだけでもいいから努力してやってみる。そうして少しストレス下げて、先生に対してこうイラっとしない状況を作って。大変だけどね、本当に。
なのですよ。本当にそれだけ頑張ってるんで普段。
そう思います。
5.先生側からのアプローチ:子どもとの対話
これをもし、「めっちゃ連絡してるな、自分」っていう先生がいらしたとしたら、そうですね、子どもと話した方がいいかも。
まあ、子どもが言うこと聞かないからこうなってるんだろうけど、「やめなさい」って言ってもやめない子は、相談するのがいい、質問するのがいい。「どうしたらやめられますか?」っていうのを、「ちょっと困ってて」って。練り消しが何で困るかを伝えて、「どうしたらそうやめられますか?」っていう相談をする方が、すごい建設的でね。子どもは自分で言ったことの方がやるんですよ、「やめろ」って言われるより。
「やめることは可能ですか?」ってよく聞くんですけど、私は。「それ困ります」と。だって練り消しってなんでダメかって今考えるけど、作り始めると夢中になるんですよね。ここに集中がいくわけですよ。集中すると授業の内容がまあ大半入ってこないですよね。大きくなればなるほど楽しくなるから、きりがないわけですよ。それは困る。先生としては授業を頑張って考えてるし、授業を聞いてもらうっていうのが仕事だから、それはすごく困ると。
で、「練り消しをやめることは可能か不可能か」を聞きますね。大体「可能だ」と言います。「不可能です」っていう子、そんなにいない。「可能ですか、ありがとうございます」と。で、「だとすると、どのようにやめるかを教えてもらってもいいですか?」って言って。
まあ、その「やめられます、可能です」って言ったら、大体その3日間くらいやらないけど、うっかりかもしれないですよね、こうもうくずついてて。で、作った時に「やめられてませんよ」って。「どうしますか?これなんで始めちゃいました?」って聞くと、「いや、無意識でした」みたいなのが出てくると。無意識を止めるためにどうしたらいいか、みたいなので、例えば「あ」って言ったらやめるとかね。
で、なんかこの練り消し欲がすごい場合は、お家で存分作る時間を設けるとかね、練り消しを。そんな子はあんまり会ったことないけど。なんか休み時間だったら存分に練り消しは作っていただいて構わなくて。「これを授業中にずっと練り消しに集中されちゃうのが困るんですけど、協力可能ですか?」みたいな、その話し合い。
っていう方が、お母さんに文句を言うよりも早い。子ども自身が自分で考えた方がいいから。
よくその練り消し問題とか、あとなんだろう、消しゴムと定規でビーンって消しゴム飛ばして遊ぶ遊びとかが流行った時に、何が起こったか。男の子たちがこうバンバンバンバン飛ばすわけですよね。定規で飛ばしてるからコントロール力はないんですよ。そうすると、なんかお絵かきしてる女の子の頭とかにぶつかったりするわけですよ。で、苦情がいっぱい来たんですよ、私のところに。
「男子のあの遊びをやめさせてください。頭とかに当たるし、何かに当たって消しゴムないとかってしょっちゅう言ってくるし、すごい迷惑です」っていう女の子から苦情があった時とかは、その子の問題でもあるけど、クラス全体で起こっている、迷惑をしてる人が発生している。まあ、練り消しよりよっぽど迷惑なんですけど、みたいなことが起こった時は、「これはクラスの問題としてみんなで解決をしていく方法で話し合うでいいですか?」っていう確認をとって、「いい」ってなったら、クラスのみんなで話し合えばいいんですよ。どうしたらなくなるのか、その遊びが。
だから、大人が何とかしてあげるものをあんまり抱え込むと大人が辛くなるので、子どもに「それはどうやったらやめられるか」っていうのを一緒にこう質問して考えていくってのがすごい大事。だから、練り消しやってる子がまあ5人以上いるんだったら、クラスの問題として練り消し問題、練り消し問題の解決法を考えたらいいんだと思いますよ。色々子どもは多分考えてくれる。「消しカスはパッとまとめてすぐに捨てに行く」とかね。いや、でもそうするとゴミ箱にみんながいっぱい行ってて、ちょっとそれも困るな、みたいなので考えたらいいんじゃないかなと思います。
まとめ:子どもと向き合い、先生に感謝を伝える姿勢
まとめると、連絡帳がわーっと来たとか、電話がかかってきて先生にわーっと文句を言われた。それはね、嫌です、イラっとします。イラっとしたら何にイラっとしたのか、何が悲しかったのか、何が悔しかったのかっていうのを、ぜひ発散していただいて、建設的な方法でお母さんを発散して。
「そりゃそう思うよね」「イラっとするよね」っていうのは、自己受容って言うんですけど、「そりゃそうだよ、大変だもんね」っていうところで受け止めた上で、これは子どもの問題である。お母さんがコントロールして、お母さんが怒って、お母さんが苦しむことで解決はしないことなので、子どもに「どうしたらこれがなくなるのか。連絡帳が来ること、先生から電話がかかってくることより、お母さんは悲しいです。なんか悔しいなとか思うからイラっとしちゃうのが嫌なので、この連絡帳が来ないように協力お願いします。どうやったらこの書かれている事象が減りますか?」っていう相談を子どもとしたらいい。
で、この怒りを先生にぶつけてもいいんですよ、ぶつかりたかったらね。でも、あんまりいいことが起こらないなとは思っているので、怒りはちょっと他で吐き出して、カラオケとかに行ってもいいと思うんですけど。
で、先生には、「全然違う視点で関わっていただいてありがとうございます」っていう姿勢のお母さんへの方が、こういうわーっといっちゃうみたいなのって減るんじゃないかな。思う先生も先生でいっぱいいっぱいなんですね。先生は先生も子どもと話した方がいい、子どもの課題なので。
で、できるようになったことっていうのをお母さんに伝えたら、お母さん本当に幸せを感じるんですよ。自分の子どもの成長が誰よりも嬉しいのがお母さんだったりお父さんだったりするから。「こういう風に言ったらこんなにいいことがあったんですよ」っていう方をできればたくさん伝えたい。なんかお互い子どもの問題として子どもに質問し、子どもが解決策を考え、子どもと一緒に楽しくそれと向き合っていくっていう方がいいんじゃないかなと思います。
- 保護者対応の現状と理想的な連携
ありがとうございます。ちなみに今、ある市で教員アンケートを取っていて、小中学校で保護者対応を負担に感じてる先生が約8割。その対応で教育に支障が出たと答えた先生が63%。過去に保護者から理不尽なクレームを受けたと答えた先生が72.5%。もうある市の方では、保護者対応と教育は完全に切り分けましょうっていう方向で今話が進んでるらしくて。
大変と思えば大変ですよね、本当に。外国のように、その保護者対応は事務で、もう先生は教育、勉強教えることに集中、みたいなのも、なんかこうすっきりしてていいな、なんか残業なくなりそうだなと思うんですけど、寂しいなと思うんですね。
同じ子を一緒に見れる、愛を持って見れる人がいるっていうのはすごい楽しいことだったので。共に感謝を伝えあえる、共にその子のいいところを見つけていって、その子の将来について真剣に語り合える誰かがいることって幸せなことだから、ちょっと寂しいなって気もしますけど。
保護者対応は楽しくできます。私はだから、最初の個人面談、もしくは今はなくなってるかもしれない家庭訪問は、その子の素敵なところ、いいところ、頑張ってるところっていうのを一人ずつメモに書き出してって、それをお母さんに全部伝えて、感謝を伝える日にしてたんですよ。感謝を伝えて、その子のいいところ伝えてっていうことで、キレてくるお母さんいない。
やっぱりお互い、なんかその子に愛を持って関わっていきたいなとはすごく思っています。もちろんいつもいいことばっかするわけじゃないし、子どもの問題行動っていうのは出てくる。出てきた時、「お母さん、もうちょっと声がけしてもらえませんか」じゃなくて、私が心がけていたのは、まず事実を伝える。こちらの主観で「この子がこんなことやってもう本当に困ってます」っていうか、なんか「このような事実がありました。私はこういう風にしていきたいと思って、こんな声がけをしてみたんですけど、ちょっと私だと力不足で、一緒に関わっていただけると嬉しいです」っていうようなことでお電話することはあったんですけど、必ずその子が頑張っているところも一緒に伝えてた。
「それで一緒に考えてもらえませんか、お母さん」ってお願いをする形ではお電話することあったかな。「ご家庭ではどんな声がけしてたらどうなりますか?それ真似させていただいてもいいですか?」とか、「私こういう風に言ってみた、こうやって帰ってきたんですけど、お母さんそれ聞いてどう思います?」っていう相談相手になっていただいてたから。
先生の関わり方によってもモンスターペアレンツが生まれたり生まれなかったりはすると思うんですよね。お母さんの関わり方によってもモンスター先生が生まれたり生まれなかったりすると思うので、コミュニケーションを一緒に学ぼうみたいな感じですかね。
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