【あるある】「子どもがいうこと聞いてくれない!」~大事なこと忘れてません?

「何度言っても子どもが言うことを聞いてくれない…」子育てをしていると、誰もが一度はぶつかる壁ではないでしょうか。しかし、その原因は子ども自身ではなく、実は親の「伝え方」にあるのかもしれません。今回は、教育の専門家である先生が、子どもの自主性を引き出し、親子関係をより良くするための「たった一つのコツ」を、具体的なエピソードを交えながら分かりやすく解説します。

なぜ子どもは言うことを聞かないのか?

のんちゃん先生、子どもが親の言うことを全然聞いてくれません、という質問が来ているんですけども、どうしたらいいですか?

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

そうですね。どういう場面で聞いてくれないのかにもよるかなと思うんですけど、私がこう見ていて思うのは、その親が言っていることに対して、子どもがどれだけ理解をして、なぜそれをやった方がいいのか、やる必要があるのかっていうところが、どれだけ伝わってますか?っていうのが、結構いろんなところで起こっている親子の摩擦みたいなところに関係しているんじゃないかなと思ってるんですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

というのは例えば、私が親子さんとお子さんの関わりを見ていて「おや?」と思った例でいくと、私は第三者的なところでその場所にはいて、その親子はじいちゃんばあちゃんちに遊びに来てたわけですよ。その日、何時に家に着かなきゃいけないかとか、そういう話は子どもに話されていた様子はなく、で、突然怒られ始めたわけです、子どもが。

ほうほう。具体的には?

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

『まだ着替えてないの!3時に出なきゃいけないのに、まだ着替えも済んでなくて、お昼ご飯の片付けも済んでないじゃない!急ぎなさい!』って言われてたんですよね。よく見る風景だと思うんですよね、光景。

めっちゃ分かる、子どもがそうやって怒られてるの。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

で、ちょっと聞いてみたんですよ。『ちなみに、なんで3時までに出なきゃいけないの?』って親子さんの方にね。『なんで3時までに出なきゃいけないんですか?』って聞いた時に、『あの、6時からなんちゃらかんちゃらの予約があって、6時までには家に着かなきゃいけないから、3時には出なきゃいけないんだ』と。『あ、そうなんだ。それって、ちなみにお子さんは知ってますか?』『いいや』って返ってくるんですよ。

大人の関係なら「大変失礼な話」

のんちゃん先生
のんちゃん先生

で、こういうことって結構よく見るし、ありがちなんじゃないかなと思うんですけど、これ、友達同士の関係に当てはめてみると、大変失礼な話なんですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

例えばですよ。このYouTubeを撮ってる3人のメンバーがいて、私が突然、高明君にね、『まだ荷物用意してないの?3時に出なきゃいけないんだけど、まだそれも済んでないの?』って突然怒り出したら、「は?」って話じゃないですか。

いや、ポカンですよね。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

それが元々、『私は6時までに家に着かなきゃいけなくて、だから今日は3時に出なきゃいけないんだ。だから3時に出られるように協力を頼む』という話をしていたならまだしもですよ。その事情も話されてないのに、『え、まだその用意も済んでないの!大体それだって片付けてないじゃん!こっちは3時に出なきゃいけないのに急ぎなさい!』みたいな、急いでくれる?みたいな風に言ったとしたら、「知らねえよ」って話なんですよ。

この撮影なくなりますね。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

だと思うんですよね。その自分の事情があって、だから6時のなんかの予約があるから、そこまでに家に着かなきゃいけないという事情が話されてない中、マイペースでやっていた人に対して早くしろって怒るのは、とても理不尽な話なはず。でもそれが結構、親子とか、先生と子どもとかっていう、大人と子どもの関係性で結構起こってるんじゃないかなっていう風に思うんですよ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

説明の省略というか、こちらがどうしてそれをして欲しいかっていうところが話されることが省略されて、突然子どもが怒られるってことはよくあるなって。だから子どもから捉えた時に、それってどう映るんだろうなっていうのを、やっぱりきちんと説明した上で協力をお願いするとか、だから急いで欲しいんだ、それはできる?っていう確認っていうのは、必要なことなんじゃないかなってすごく思います。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから突然、子どもは理解できないわけですよね。でも小さければ小さいほど、そこに反論するほどの言語能力も持たなかったりするし、親が怒り出したらなんとなく急がなきゃいけないんだな、的なものになっちゃう。自分でものを考えなければ、自分で主体的に動くというよりは、怒り出したらやろう、みたいな世界になっちゃうよなっていう風に思ったりしますね。

実際これは自分ちでもよくあるなと思っていて。なんか説明するの結構めんどくさいから、もう『早く用意して、とりあえず出かけるよ』みたいなのは、いや、結構やっちゃいがちだなと思いますね。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

そうですよね。そうそうそう、やっちゃうんですよ。めっちゃやっちゃう、めんどくさいもん。ただ、そうやって自分に置き換えてみた時に、『いや、なんで急ぐの?』って例えば質問を私にしてくれたとして、『なんで言ってくれないの?その3時に出るとか知らないし』ってなった時に、『いや、説明するのがめんどくさいんだよね』って言ったら、どんな気持ちがするかっていう話。

撮影がなくなります。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

なんですよね。本当にそればっかり。だから学校現場でもよく見るんですけど、『急げ!』とかって言われて子どもが走ってる場面とかよく見るんだけど、なんで急がなければいけないかの説明はあったんだろうか、っていうこと、すごいいっぱいある。

なぜ先生は「説明」を大切にするのか

なんかすごく、のんちゃん先生って、何々をして欲しい時に事前に説明してる印象があるんですけど、なんでこう、きちんと説明しようっていう風に至ったんですか?

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

多分そもそも、私がすごくひねくれた子どもだったっていうのが一番大きいんじゃないかな。

ひねくれた?

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

『なんで?』ってよく思ってた。運動会の練習とか、『気をつけ』みたいなやつ、『なんで?なんでやらなきゃいけないの?偉そうに』って思ってたし、『めんどくさ』ってよく思ってた。反論するのもめんどくさかったから、割とこう、斜に構えた子どもというか、優等生ぶってる時期も多かったけど、割とその大人に対して、特に学校にいる大人に対して、『ろくでもねえな』って思ってたんですよね。

先生が小学校の時に。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

そう。私、5、6年のクラス崩壊してたので。『ほんと、馬鹿みたいだな』って思ってた。中学校の時も学校大嫌いでしたね。で、高校の時の顧問に対してすごい反発して、『先生なしでやっていきます』みたいなこと言った人なので。なんか割とその「先生」という存在に対してはすごく斜に構えたというか、『ろくでもないやつばっかりだ』みたいな風には思ってたの覚えてます。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

っていうところはあるのかも。自分が先生になった時に、あの、ろくでもないものになりたくないというところと、『やりなさい』みたいなことを言った時に、『はぁ?』みたいな視線が飛んでくるのがひしひしと分かる。それが過去の自分に重なるから、やたら説明をしようとしていたっていうところはありますね。だってね、嫌われたくないもん。反発もされたくない。だから、どうしてこれをやらなければいけないんだろうっていうのは、自分が言われてきて嫌だったから、すごい考えてましたね。

「静かにしなさい」の前に考えるべきこと

のんちゃん先生
のんちゃん先生

例えば全校朝会とかで体育館に集まったりするわけじゃないですか。で、その時に『頭を動かすんじゃない』みたいなやつとか。

超わかる、それ。『なんで?』っていうのとか。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

『おしゃべりするな』みたいなやつ。なんでおしゃべりをしてはならないんだろう、ていうのは、言わきゃいけなくなった時にすごい考えた。で、だからそういうこと自分なりに考えては話すようにしてたんですけどね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

『なぜかっていうのを考えたんだけど、全校朝会っていうような、みんなが集まって話を聞こうとかっていう風にする時に、どういう姿勢で臨むのかっていうのは人から見られたりするものだし、1年生とか小さい頃はなかなか難しいことなのかもしれないけど、こういう会に出席する時にはこのくらいかっこよくできるんだよっていうのを見せるのが6年生なんじゃないかなと思った。で、無理だったら無理で無理な理由を教えて欲しいけど、できるんだったら、その姿勢っていうのを6年生が見せることっていうのは、私はすごくかっこいいことだと思うけど、どうだろう?』って、例えば6年生に言ったら、『なるほど』と。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

じゃあ一旦見させてもらってもいいかな、って思った時に、やっぱり子どもたちの態度は、『静かにしろ』って言われていやいや静かにしているのと、『自分たちはこのように受けられますっていうのを手本として示すんだ』と思って子どもたちがやった時と、全然気持ちよさが違うわけですよね。
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生徒T
生徒T

納得感がありますよね、多分ね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そうそうそう。で、その上で話し合ったらいいのかなって、私はその先生方にも一度言ったことがあるんですけど、『これはチャイムが鳴ってから静かになるではダメなんですか?』って。早めに集合場所に行って、チャイムが鳴るわけですよ、今から朝礼が始まるぞっていう。一般的なイベントで考えた時に、早めに行きたいと思って行く人はいますよね。入口が混雑するだろうから、とか。で、その式とかイベントが始まって誰かが話し始める時に、だらだらおしゃべりをしてるのは確かに感じが悪いし、成り立たないかもしれないけど、15分前に会場入りした人たちがみんなシーンってなってるイベントなんかあるだろうか、って。気持ち悪くない?って思うわけですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

『始まる前から体育館に入ったらおしゃべり禁止だ』みたいなやつ、どこで応用ができるんだろうって思った時に、先生方に提案したことはあります。『チャイムが鳴ってからではダメなんですか?それをけじめと言うんじゃないんですか?15分前から静かにさせておくことで学ばせたいことは何ですか?』って言った時に、チャイム鳴ったらでオッケーになった。

それは子どもたちはすごく嬉しかったと思うな。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

早めに行くことって別にいいことだもん。早めに行った人が損をするのではなくて、ちゃんとけじめをつけて静かにするという信頼のもとであれば、早めに行った人たちがその時間までどう過ごしていようと、周りにいる人たちと楽しくおしゃべりしながら待ってていいじゃない、っていうようなところで。一体何のためにこれはするんだろう、どこまで何が必要なんだろうっていうのを考えるようになったのは、自分の小中学校くらいの時かな。その集団教育みたいなものに対する疑問と、あとはやっぱり子どもたちと仲良くやっていきたかったっていうところで考えるようになったかな、とはそう思いますね。

目的の提示が子どもの主体性を育む

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから目的を提示するってすごく大事なんですよ。これはアドラー心理学っていうのを私が学び始めて、『ああ、よかった、これって本当に大切なことなんだ』と思ったんですよね。なんでそれが必要なのかっていうのを、理由なくただただ言われたらやらなきゃいけない、やればいい、みたいなのって全然主体的ではない。その子の力は育たないものだから、なぜそれをやらなければいけないかっていうのを一緒に考えることだし、こちらも考えてご協力をお願いしたいと提案したりっていうのは、すごい大事だな。この時に、相手目線に立つ、子どもの立場になって考えるっていうのがすごい大事だなと思うんですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから例えば、その3時に出なければいけないとかもそうですよね。『突然、まだそんなことも終わってないの!お昼ご飯の片付けも済んでないし、いつもそうじゃないの!3時に出るのよ!』って言われて、「はい」って言いながら用意するのと、『今日さ、3時には出たいと思っているんだ』と、朝の段階で。『理由は6時にこういう予約があって、ばあちゃんちからは車でこれくらいかかるので、3時に出れないとすごく困るなって思っているんだけど、協力お願いできる?で、帰るまでにしておいて欲しいことっていうのがいくつかあって、これはお願いしたいなと思っている。もし早めに終わったら、こちらの方も手伝ってもらえたらすごく助かる。よろしくね』って言って任せられるのと、自分がされたとして、どちらの方が自分で考えて行動するだろうかっていうとこなんですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そう言われたら見通しを立て始めるわけですよ。最初はうまくいかなかったとしても。そろそろ3時か、そろそろこれはやらなきゃ、とか思って自分でやれて、『3時に今出るっていう協力お願いしたの、こんなにしっかり守ってくれてすごく助かった、ありがとう』って言われるのと、どっちの方が『自分って色々できる存在で、すごく人の役に立って、なんかお互いの提案を聞きながら進んでいくのっていいな』って思うか。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

この感覚がすごく大事だから、こちらの事情をそのままお伝えするっていうのがすごい大事だなと思うんですよね。だから親子さんで言うと、そのもう小さい時から、生まれてから物も言えぬ頃からずっと一緒にいて、説明なんかせずともずっとやってきたわけじゃないですか。

間違いないですね。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから、わざわざ説明しなきゃいけないの、どこから?みたいなところがなかなか難しいんじゃないかと。

めっちゃ難しいっすね。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

っていうとこかなと思うんですけど、どこまでできるかは知らんけれども、こちらの事情を話してみて、どこまでやれそうかっていうのを、物を言うようになってからやっていくっていうのがすごい大事だと思うんですよね。どこまで理解してるか分からない頃から、3歳とかちっちゃい頃から。『できそう?協力お願いできそう?今こういう事情なんだ。助けてくれたらすごく嬉しい』っていうのを言った時に、子どもが自分で考えてやってみるっていう経験がすごい大事で。こちらの事情っていうのをたくさん子どもたちに話していくことっていうのがすごい大事だなと思ってるんですよ。

子どもを信じて「任せる」勇気

のんちゃん先生
のんちゃん先生

私のクラスで言うと、『いついつまでに着替えておいてください』とか、『ここでは静かにしてください』みたいな指示をたくさんしなきゃいけない、しないとなかなか子どもが困っちゃうって感じてる先生方も多いんじゃないかと思うんですけど、一緒に事情を話した上で子どもたちが考えた方が、もう格段に楽になるんですよ、こっちは、早い段階で。

そういうもんなんすね。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

だから、『今日は4時間目に体育があります。それっていうのはどこに載ってる情報ですか?』『時間割が書いてあります』が、今日の予定が書いてあったらもう朝来たら分かってる情報。で、『じゃあ4時間目に体育がある場合は、みんなだったらいつ着替えようと思う?』って時に、『2時間目の休み時間』とか出るんですよ。で、そしたら、『2時間目の休み時間には、今日は委員会の会議があります。それってどこに載ってるか分かる?』『学年便りに載ってます』『学年便りはどこにあるか知ってる?』『ここにあるね』と。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

『で、今日の予定を考えた時に、いつ何をしたら最高に1日がスムーズに回るか、案出せる人いる?』っていうのは、結構クラスが落ち着いたら、4月の早い段階で子どもたちにも渡しちゃうんです、私は。そしたら、そういうの得意で好きな子いるから、わーっと前にある情報を見て、『じゃあ2時間目には委員会のこの会議があるってことは、朝の段階で着替えといた方が良かったってことだね』とか、『体育着から普段着に戻すタイミングはいつだ?給食はちょっと急ぎだからって思うと昼休みかな』『応援団の練習が放課後あるじゃん。てことは応援団以外の人はここで着替えるけど、応援団の人は着替えないってことだね』みたいなところまで、朝提案してくれる人が出てくるんですよ。

へぇー!

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

自分たちで声掛け合って、気づいた子が黒板に書く、みたいな風にした時に、もう私は彼らがいつ着替えればいいかを考えなきゃいけない立場から卒業できる。『素晴らしいね。』と。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

『そうやっていつ何をしたらその1日っていうのがスムーズに回るかっていうのは、いろんなところで生かしていく力だから、是非お願いしたい。ちなみに私の予定を貼っておきます』っていうのも貼っちゃうんです。職員会議の予定とか。で、これを渡しとくと、それを検証して子どもたちが提案してくれるんですよ。っていう風にしたら、いつ何ご飯を食べ終わって、いつ着替え始めなきゃいけないかなんて、子どもが考えればいい話っていうのは、3歳くらいからできると思ってます、私は。こっちが考えてあげる問題では全然ない。だって1年生は楽々できますよ。

教育のゴールは「手放す」こと

のんちゃん先生
のんちゃん先生

1年生の担任でも、私は2学期ぐらいに学校の仕組みと学校で一連やるものの流れっていうのが、クラスの大半の子が分かった状態で渡しちゃいます。『いつ何をやったらいいと思う?そして気づいた人が声をかけよう』って言ったら、朝から1年生の子なんか声かけてますよ。『今日はもう着替えとこう』とかって。すご、できます。それできないと思ってるのは、そう思ってる人のそばにいるとできなくなるので、子どもは。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

っていう風に、どんどん何でもできる存在としてみて、渡せるものは全部渡したいっていう思いでそばにいることだと思うんですよね。教育のゴール、子育てのゴールっていうのは、自分がいなくなっても、その子が一人で楽しく幸せに、自分で考えて自分で決めて行動して生きていけるようになる、というところをゴールにするんだったら、自分が持っているその子のお世話をする何かを、いかにして早めにその子に返していくかなんですよ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

だからどこまでできるっていうのは子どもたちと相談しながら、どんどんどんどん渡しちゃうんですよね。『私がやってあげなきゃいけないことは、なるべく早めになくなったらすごいことなんだよ』っていうのは伝えていて。『だから私がやっていてできそうだな、って思うことはどんどん奪いに来てくださいね』って。『先生がやることなくなっちゃった、どうしよう!全部みんなでできちゃうの、かっこよすぎない?』って早めに言わせてください、『やることがありません』と言わせたらみんなは最高にかっこいいです、っていうのは早い段階で伝えてあるので、大体私がなんかしようとすると、『やっときます!』っていう子がどんどん現れたら、もうどんどん渡しちゃうんですよ。『あ、お願い、助かる!』って言って。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

で、そのやった時に、最初は散々ですよ。プリントこうやって配るのとか、先生がずっとやってたりするクラスも多いと思うんですけど、私は早い段階で『全部仕事は奪ってってね』っていうのを言ってるので、手紙を配るなんて誰でもできる話じゃないですか。で、『やります』っていう子が現れた時に、『あ、助かる、ありがとう』っていう風に言ってやりますよね。もう大体、全然数で配れないわけですよ、初めてやるから。で、モタモタしてて、私がやった方がよっぽど早いっていう状況は最初に生まれるんです。そしたら、『ちょっと来て来て』言って、『こうやってやるとめくりやすくなるんだよ』っていう方法もあるし、こうやって分けて配ることとかもできると思う、『色々工夫してみてね』って言って、また次も渡すんですよ。まあ10回ぐらいやったら私よりも早いですよね。

失敗から学ぶ機会を奪わない

のんちゃん先生
のんちゃん先生

できることをどんどん渡していくっていうのがすごい大事で、その時に任せていく時に、やっぱりこちらの事情と目的っていうのをすごくきちんと話すこと、ていうのがすごい大事なんじゃないかなと思うんですよね。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

フリースクールとかでもそうなんですけど、最初関わる子どもたちがみんな言うそうなのは、『言われたことしかやんない』。人参の皮むいてって言われたら人参の皮しかむかない。だから説明するんですよ。『いいですか、この中で皮をむく必要のある野菜とない野菜とがあります。どれだと思いますか?』とか。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

皮を剥く目的ってのは色々あるんだけど、まず1つは美味しくない。あんまり皮ついてると美味しくない野菜とそのまま皮付きでも美味しい野菜ってのがあって、で割と根っこに埋まってる野菜硬い野菜っていうのは皮を剥いた方がいいことが多い。でもトマトとかレタスなんか何が皮かわかんないし、そういうものは皮っていうものが必要ない場合が多い。で分かんなかったら聞いてほしい。皮を剥いた方がいいと思うものを剥いておいてもらえると助かる。ちなみに剥くものはピーラーでこんな風に剥くよ。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

って言ったらもう私はあんまり何もしないんですよ。考えてやればいいで。その上でずっと人参向いてる子がいたりするんですけど、全部皮に見えるからね。でそういうのが出てきた時にもう1個の人参を持ちますね。ってこてさ色違うのわかる?これが皮ね。これ見てね。っていうのをやって、次にできたらいい話で。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

考えてやればいい。自分がやる事っていうのは料理においては自分で見つけていくものだと思うんだよね、って。『レシピはここにあるね、この文字は読める?読メない?』『読める』ってなったら、『そしたら私が次に「何々してね」って言う前に、「これやっとけばいいのかな」と思ってやってみれたらすごいことだから、読んでみて、みんながやっているの見てみて、自分ができるのはどれだろうって考えて、不安だったら聞きに来て』って。次これをやろうと思うんだけど合ってるって、それを考えてやってみるってことがめちゃくちゃかっこいいから。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そうやってやり始めたらですよ、私はしれっとした顔で座って自分の仕事してたりするんですよ。もういらないから。『あれやってね』『これやってね』『次ご飯は炊けたの?』とかっていうのを、子どもたちが自分たちで見れるようになる手立てを伝える。伝えた上で、それをする事によって、すぐに自分一人で料理って作れるようになるものだよ、何かを待つものではないよ、頭使っていっぱい考えてね、とかって言って。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

のんちゃん先生
のんちゃん先生

今度面白いんですよ。作り終わったらみんなでボーっとしてんの。『あのさ、作り終わったら食べると思うんだよね、私は。で、食べるために必要なものっていうのは、確かにこのクックパッドには書いてない。お皿を出して、箸を出して、みたいなの書いてないでしょ。じゃあ何が必要か考えようよ』って。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

それも勉強だから。一番最初そうやって用意した時によくあるのは、箸とかフォークとか出さない。『いただきます』ってなった時に、『困んない?何が困る?ちょっと熱そうだよ、手で食べるには』って言った時に、『あーそっか、箸とかって自分で出すのか』ってそこで子どもが気づく。『そうだよ、いつも出てるでしょ。勝手に出てるもんじゃないんだよ、箸とかって。誰かが出してくれてるものなんだよ。そこに気づいて用意ができるようになったらもう一人前だよね』って。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

フリースクールの子なんかは、よく私が言ってるから、『早いとこさ、のんちゃん先生が本当に何も言わずに作り終えたいよね』『いただきますまで行きたいよね』『惜しかったね、今日、水はって言われちゃったね』みたいなところで子どもたちが考えていった時。それはなんで必要なのかっていうのを一緒に話していった時に、自分で考えて自分でやれるっていうのがどんどん増えていくから。

まとめ:目的を話すことは、未来への投資

のんちゃん先生
のんちゃん先生

目的を話すことっていうのは、早く親子さんが楽になるための一つの方法だし、早く子どもが一人立ちをして、こう自分でできて『自分であ、できるんだ』っていう達成感を味わって成長していくための大切なツールだから、飛ばさない方がいいと思う。

なんか、目的を話すっていうたった一つのことだけでも、そういった成長を促せるんだなって聞いてて、あの、少しずつ話していけるようになったらいいなっていう風に思いましたね。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

めっちゃ大事ですよ。だから出かける時とかの、『何持った?あれ持った?あれ持ったの?』みたいなやつもそうです。言わなくていいよ、忘れて困ればいいんだから、ってすごいます。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

『何が必要だと思う?』って言うんですよ。『あれと、あれと…』って、平気で財布とか置いてくから、買い物に行く時に。その時に買えないじゃないですか。しばらく困っていただくんです、『困ったね』って。で、『仕方ない、今回は一度立て替えるという方法を取りましょうか。そのためには、お願いします』って言って、『すいません、財布忘れてしまったので買えません、お金を一度出してください、お願いします』って言って、『しょうがないな』って言って出すんですけど。これ笑い話になるんですよ、『サザエさんかよ』とかつって。

のんちゃん先生
のんちゃん先生

そういう困った時間があるから、子どもたち自身で声かけ合うようになるんです、『財布持った?』って。『またサザエさんかよって、のんちゃん先生に言われるよ』って。『また言ったげるよ』って言って。そしたら、『あれ持った、これ持った、それ持った』っていうのを言わなくて良くなる。なんでそれが大事なの、なんでそれが必要なのっていうのをこう話すし、自分たちで考えることで経験していくっていうのがとても大事なので。説明をぜひ省略せずに、『こういう事情があるんだけど、どうしたらいいかな。ご協力お願いできる?あなただったらそのためにどうやってやってくの?ありがとう』っていう関わりが、次に言わなくて良くなる、っていうところに繋がっていくんじゃないかなっていう風に思います。

いや、難しいなと思いますけど、やってみます。はい、頑張ります。

生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生

頑張ってください。

この記事を書いた人: 梶谷希美

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