子どもたちの間で流行る言葉の影響力は想像以上に大きいもの。
「それってあなたの感想ですよね」から、かつての「そんなの関係ねえ!」まで、私たち大人はどう向き合えばいいのでしょうか?
教室や家庭で、笑いと学びのバランスを取りながら子どもたちと一緒に考える方法を、のんちゃん先生の体験からお伝えします!
流行語の波に翻弄される教室
先生、保護者さんからの質問です。小学生の流行語対象の1位(※2022年)が、ひろゆきの『それってあなたの感想ですよね』なんですけど、みかん先生的にはこれどう思いますか?


これね。流行語って結構な影響力があって、クラスの中でとか、多分ご家庭の中でもそうだと思うんですけど、結構めんどくさいと思う。

例えばクラスで授業とかやっていて、先生が子どもに言った時に『それってあなたの感想ですよね』が受け狙いで入ってくるんです、ちょこちょこ。おそらくですけど、これね結構大変だと思うんだよな。関わってる大人、多分ご家庭でもそうだと思うんですけど。
そんなの関係ねえ時代の地獄体験

私の時で言うと、小島よしおさんの『そんなの関係ねえっ』というのが流行語的に流行った時は、いはいはい、めっちゃ面倒くさかった。めちゃめちゃめんどくさかった。なんか面白い男の子とか盛り上げようとして言ってるのはわかるんだけど、こっちが真面目に『いや、ここはしっかり聞いた方がいいと思うよ』とか『理科の先生はこう思ったわけだからさ』みたいなのを言った時に、『そんなの関係ねえ』って言って大笑いが起こる。うざくないですか、それ。

自分に余裕がある時とか休み時間とかは一緒になって楽しめばいいんだけど、関係ある時っていうのがあって、関係ある時、そう。そんなの関係なくない時っていうのがあって、そこでウケに全部持ってかれると、しかも全然進まない。みたいな。
のんちゃん先生

でなんか『今さそれやる時じゃなくて』とか言うと、『先生ノリが悪いですね』とかって言われたりするのは、なんでこんなの流行らせたんだろうって自分で思ってる時がありましたね。
めっちゃイラっとしてるじゃないですか?


めっちゃイラっとした。最初の頃、これいつまで続くんだろうって、すごい地獄のように思った時っていうのがありました。それに近いんじゃないかな、今回ひろゆきさんのやつ。
生徒T
地獄のような時って感じですね。


うんうんうんうん。私の時の流行語は『そんなの関係ねえ』だった。
クラスで話し合って見つけた解決策

ちょっと今から話す話は、そんなの関係なくない話をします。先に一旦封印しますよって言って真面目に話し合いました。『そんなの関係ねえ』問題について、クラスで45分間、1時間使って話し合ったの覚えてます。
マジっすか、1時間使った。


「もうみんなに相談です。その手はとても困っています」って。「みんなの楽しいそういう関わりをなくしたいとか、そういうわけじゃない。だけど、そんな関係ある時に『関係ねえ』でみんなが笑って、でなんかノリが悪いっていう話に片付けられちゃうと、とても苦しいしイライラしてるんだけど、どうしたらいいでしょうか」っていう相談をしました、子どもたちに。
「流行語ルール」の誕生
腹割ってというか、素直にというか。


でなんか子どもたちが話し合おうっていうことになって、『そんな関係ねえルール』が作られた。休み時間はまずOK、給食の時間もOK。ただ授業中とか、そういうみんなで何かをやる時には、して悪い時があるっていうルールを作った。
ちなみに小学校何年生ですか?その時の。


5年生か6年生だった。ちょっと曖昧だけど5年生か6年生ですね。

ルールが作られて、まず一番最初に、そこで行っていいか否か、これは『そんなの関係ねえ』って言っていい場所なのか否かっていうところが社会にはあると。
TPOを学ぶ機会に
生徒T
TPOというか。


空気を読むってやつが社会にあるけれども、一発目は失敗はしょうがないよねって。だっていいかなって思って言ったらダメな時あるわけだから。一発目に関しては、あの誰も咎めないルールだったんですよ。

でなんか、このここに乗るかいなか、わーって乗っていくのか?いやここ違くない?っていう後の判断、みんなの判断っていうのがすごい大事だよねって。そこの場を一番真ん中で作ってる人。例えば学級会だったら学活当番だったりするし、委員会とかの話し合いを下ろす場だったら、その委員会の委員長さんだったり、その委員会の担当の人だったりするし、実行委員がやってる時もあれば先生が進めてる時もあるっていう。その中心の人を大切にする判断をしようっていう話になったんです。

だからその人の『そんなの関係ねえっ』ていうのが上がった時に、中心になってる人の表情を見よう。
結構難しい。


そうした上で、ありかなしかみたいな間が生まれて。だから授業中だったら私が一緒に笑ってればOKだけど、えっとっていう顔をしたら、『今やめよう、今違ったよ。はいストップ、座ろう。はい先生どうぞ』みたいな気持ちがいいんじゃないかっていう。

一回話し合いが持たれてからは、そんなイライラすることはなくなったので、一緒に考えてくれるから。この場がそんなの関係ないのか、あるのかっていうことをクラスのみんなで考えられるようになったから。そっからはね、大丈夫だから。腹を割って相談したらいいんだと思いますよ。

先生か困るよって、でそんなの関係ねー。は本当におふざけだったから、そういう風に決まって楽になってからは、私が出して笑わせることもあったし。なんかその上でね、一番中心になっている人、今その場で中心になっている人の表情を見て、続く、続かないみたいなのをみんなで見て。『今のセーフだね、わー』みたいになったり、『今のアウトだよ』みたいになったり。うんうんっていうのをみんなで考えればよかったんだけど。
「それってあなたの感想ですよね」の本質

ひろゆきさんの『それあなたの感想ですよね』に関して言うと、うん、これって相手に対して、その事実と感想を分けて述べましょうみたいなのを。ひろゆきさんといえば論破じゃないですか?論破の関係で求めてる話。

で言うと、こういう風に相手に対して嫌みたいなのを『ちゃんとしろよ』とか『うん、そこ考えて話せよ』みたいな攻撃の矢を向けた時っていうのは、会話の中で必要な時ってもちろんあると思うけど、矢を向けたら矢を向け返されるってことは分かっておいた方がいいよって話をする気がするな、クラスで。
生徒T
なるほど。もう少し具体的に言うと?

言葉は自分に返ってくる

事実と感想を分けて話しましょうっていう話だと思うんです。『それはあなたの感想ですよね。今こちらが話してるのは事実の問題です』みたいな、多分ところで出てきている。とてもかっこいい、そう言ってると思うんですけど、それ言ってる本人が事実と感想をひろゆきさんがごっちゃにして言ってたら言えるはずがない言葉なんですよ。

ひろゆきさんが事実と感想をごっちゃごちゃに話していて、話がわかりにくいですよっていうような人がこれ言っても何の説得力もない。『お前が分けろよ』っていう話になるわけじゃないですか?これを言った時に。

だからいろんなそこここで使うの別にいいと思うけど、自分ができてるかわからないことを人に向かって矢を投げると返ってくるぞっていう覚悟をしといた方がいいよっていう話はするかも。あれはひろゆきさんだから言えることで。

私あの矢を投げられない。私しょっちゅう事実感想が混じる人だから、人に整理してもらったりするんですよ。立場で言うと、その投げ方はできないかなって思うから。

例えば私がなんか言ったこと、先生とか大人の親がなんか言ったことに対して『それあなたの感想ですよね』みたいに子どもがしょっちゅう遊んでいたら、本当に事実を求める場所でその子が感想を言ったら、もう本当に矢を本気であの投げ返します。

『それ感想だけでもって、あなたいろんな人にそれ言ってるけど自分ができてないこと言わない方がいいよ』。それって自分にも言っていいですよっていうサインになっちゃうから。言葉の本当の意味っていうのを理解した上で使わないと、自分に向かってくる矢っていうの、攻撃っていうのを増やしていっちゃうよ。

なので私その論破とか、人に対して『これ違いますよね』っていうことっていうのはいいと思う。いいと思うけど、言ったら返ってくるぞっていう、諸刃の剣技と。そうそうそうそう、その覚悟を持って言うんだったら言ってもいいんじゃない?と思うから。

『それはあなたの感想ですよね』乱発っていう子どもが言って困ったら、みんなに相談するかもしれないし。ひろゆきさんが言ってることってどういうことなのか、それあなたできる?自分はできると思って言ってんの?本当に相手ができてないと思って言ってんの?っていうところは多分あの捉えて、

ふざけるときはふざけていかないと多分。なんか自分がそうするんじゃないかな。だって。ひろゆきさんその覚悟が、覚悟を持ってやってる話だと思うんですよ。なんでもだっていっぱい、厳しい言葉もひろゆきさんに対して飛んでるし。でもその覚悟を持って、あれの良さっていうのもあってやってる話だから。

流行語だって遊ぶにはちょっとこうなんか厳しめの言葉かな。それを子どもに、お子さんに私はだったら伝えるかな。それを使い続けることでこういうこと起こっちゃうと思うよ。それでもいいと思ってやってんだったらいいと思うけど、それをいいと思ってやってるっていうふうに私に向かってくるんだったら、私も本気でいくよって。

そうじゃん、『あなたの感想ですよね』っていったら『そう言ってるあなたのそれも感想ですけどね』『じゃあ事実いいなよ。わかりやすく言ってそれだけ言うんだったら』っていうような喧嘩を売ってるって話ですから。『覚悟もっていってますから』みたいな子がいたら本気でいく。自分のじゃあ、あんまり論理的なところを苦手ですけど、多分本気で私的本気でいくんじゃないかな。

「それでも使う?これ全然気持ちいいコミュニケーションじゃなくなってるけど、それでも使いたい?」みたいな話はするんじゃないかなと思う。
親御さんへのアドバイス
例えばその親御さんが自分の子どもがその言葉を使っていた時に、なんかどう言ったらいいかなみたいなのはなんかどんな感じ?


そう伝えるか。もしくはその感想と事実っていうのを今分けて話さなきゃいけないところだったかな?そうじゃないとこもあるじゃない?あれって論破の過程で使われる一個の一手だと思うんですよ。

だって普通にね飲み会とかで雑談してたり、なんか夕食とか食べながら感想と事実分けて話さなきゃいけないか?別にそういうわけじゃないじゃないですか?バラバラでも楽しく話せばっていうところで。あれを持ち出してくると、とってもピリピリすると思うんだけども、あなたもじゃあ分けて話す、私も分けて話すっていうことでいいの?っていう話になると思うし。
バランスを見つける

これが楽しくすんでる場合はいいんですよ。あれをネタとして流行語のネタとして楽しく使ってるうちはそれはそれでいいけど、これはねもうイライラするぞって親御さんが思ったら、『ちょっと今イライラしてます。理由は今事実と感想を分けて話さなきゃいけない場じゃないと思うんだけど、それをあなたは求めますか?求めてる話に今はなっちゃうよ。だとすると私も求めざるを得ないよ』とか。

『そもそも分けて話そうと思ってないんだけれども、ちょっとふざけが過ぎない?って私は感じるんだけど、あなたはどう思う?』みたいな。やめろっていう言っても、『本当にちょっとふざけてるだけなのにさあ』みたいな。それにずっとイライラしながらも付き合ってなきゃいけないかって言うと、そんなことはないので、『ちょっとやりすぎだと私は思うんだけれども、どうだろう?』っていうのを投げかけていけないんじゃないかなと思います。
まとめると

流行語は割とめんどくさい。めんどくさいんだけど、それを使いたくなっちゃう子どもの気持ちもわかるから。あの線引きっていうのができるようになろうよっていう話は子どもたちによくします。楽しくやってられる時と、そうでない場面で『今はちょっとやりすぎなんじゃない?』というこちらの意見を出して『あなたはどう思う?』と。

それでもやるって言うんだったら、その覚悟を持ってやるんだよ。今その言葉が持ってる意味っていうのはこういうことで、こういうことを引き起こすと思うよ。それでもやるの?ってやってきたら、本気でいく。それかだったら話し合わない?って。

私は違うと思ってるんだけれども、具体的にここが困るんだけれどもっていう話し合いのテーマにして、この流行語対象とどのように一緒に付き合っていくかっていうのを考えていく、いい材料にしたらいいんじゃないかなと思います。
Youtube「おしえてみかん先生!」
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