【99%が伝え方】子どもの本気を引き出す方法~前編~
「やってくれない」ことへのお悩みは多いです。
子どもが動くかどうかは、99%が伝え方で決まります。
子どもが、全然宿題をやらない。言っても聞いてくれない!
こう動いてほしいけれど、やってくれない・・・
今回は、こんなお悩みを持つママパパへ、みかん先生が小学校で具体的にどのように伝えていたか?子供にも大人にも使える、本気を引き出す伝え方についてお伝えします!
言っても全然やってくれない!なかなか動かない子供が自発的に動くには?
「ちょっと抽象的な内容なんですけど、子供にやれ、やれって言っても子供が全然やってくれない。こういうことに今ジレンマを抱えています。先生は、子供にこういうことを、やってほしいなと思っている時に、どういう風に、そうしてもらっていますか」
例えば、ちょっとこれは、家庭のシーンではないんですけど、運動会って子供からすると、結構面倒くさいなと思うところあるじゃないですか。でも、みかん先生は運動会ってどんな感じなんでしょうか。
子供が動く伝え方~運動会の練習での例~
運動会ね。そうですね。どれだけ、それが嫌な子の気持ちになれるかっていうのが、私は大きいなって思っていたんですけど、運動会の練習って、私がいた学校は主に秋にやっていたので、もうちょっと経ってから始まりますよね。暑い時期に、9月の最初の暑い時期に練習をするわけですよ。
私は側から見ていて思っていたわけですよ「急げ、走れ」って言われている子供たちが、ダラダラ動いて行くのを見て「そうだよね。だって、その子たちに、急ぐ理由ないもんね」って思って「お前たちが急がなかったら、あなたたちが急がなかったら、プログラムが押すぞ」と言われているんだけど、プログラムが押しても、誰もその子たちは、困らないよねって、思ったんですよね。
そう。私自身が、すごくひねくれた子供であったっていうのが、すごくあるんじゃないかなとは、思っているんですけど「うるせえよ」と思っていたわけです。「走れって言うなら、お前が走ってみろよ」って思っていたし、走って何が変わるのかも、よく分からなかったしって、思ったんです。
ただ「急げ」って言われるより、どうしたら子供が動きたくなるか考えてみた
だから、その時に、すごく自分がそれを命令しなきゃいけない立場になった時に、どう言われたら、走りたくなるかなって、メッチャ考えたんです。どう言ったら、走ることには意味があってという所を、伝えてないなとも思ったし。どうしたら、走りたくなるかなというのを、すごい考えたんですよね。
例えば運動会のプログラム構成を見たときに、そのプログラム構成には理由があるんです。6年生のリレーは絶対にラストなんです。リレーの選手のリレーがラストとしても、6年のリレーがラストなんです。迫力があるから。
プログラム構成が組まれているわけだけど、表現とか、団体競技とかリレーとか、50m走とかが、ちょうど良い感じなるように組んでいるわけなんだけど、例えば、メッチャ早く動かないといけないシーンで言うと、開会式が終わった後の第1番目の競技に当たった学年って、皆開会式出てたじゃんみたいな所から、事前準備っていうのが無く、行くじゃないですか。
伝える準備:子供たちにとっての動く意味を見つけてから伝えること
ここが私4年生を担任をした時に、すごく思ったんですけど、ここは4年生に任されていたんです。「これには意味があるな」って思って、その意味を伝えられたら、私だったら「ちょっと急ごうかな」って思うかなって、思ったから。
移動の大切さみたいなのを言って、ちゃんと意味と、こちらのご協力をお願いしたいっていう部分を伝えたら、伝わるんじゃないかなって、伝えたのが最初だった気がするんですけど、
伝えるステップ1. これができるのは、あなたたちしかいない!だって、○○だから。
子供達に「皆の出番は、プログラムナンバーワンです。これは、開会式が終わった後の、1番目の競技なので、みんな開会式に出ていて、みんな条件が一緒の中、一番最初に用意をしなきゃいけない学年が、4年なんです。なんでだと思いますか?」って訊いた。
「私なんでだと思うか、考えたんだけど、これができるの、みんなしかいないよ。だって、5〜6年生には、運動会の係の役割があるから、開会式の放送とか、開会式のいろんな役割を担っているんです。5〜6年が動けない。でも、1〜2年生は移動に時間がかかる。」
「じゃそこで、一番信頼が置けるのは、私は絶対4年だと思う。来年高学年を担う4年生に、この一番手の競技を任せるっていうのは、その通りだと思ったよ。それだけ信頼されて、この1番目を任されているっていう中で、開会式が終わった後、どれだけ早くスタンバイできるかっていうのは、運動会の最初のスタートの、雰囲気を作る所を、全部みんなに任されているんだと思う。皆はどうしたいと思う?」って。
伝えるステップ2. あなたたちだったら、こんな○○に、できると思うよ!
「私は、みんなだったら、メッチャ格好良く、メッチャ一番スタートできると思う」って言ったら「できまーす!!!」って返ってきて。ただ「急げ」って言われるより、たぶん嬉しかったんだと思う。
「じゃあ、練習してみようか。開会式終わる時、ここにいるね。」プログラムナンバー1と言われるまで、何を合図にされるとか、私は運動会の仕組みを全部聞いて、調べての上で言っていますよ?
「皆の準備が揃って、準備を見ている5〜6年生の委員の人が、4年生揃いましたと旗を上げた瞬間に、アナウンスがかかります。何分でいける?」っていう話をした時に「最速でいきます!」と。
「じゃあ、ちょっと練習してみようか。じゃあ、開会式終わりました」そこから移動すると、ズラーっと、移動して「私もタイマーで測るからね」って、タイマーで計って、1分かからないんです。開会の門の所に4年生が全員移動するまで。
伝えるステップ3. できたら、しっかり褒める!
カチって止めて「プログラムナンバー1、4年生による、なんとかです。4年生、よろしくお願いします」で「はいっ」って言って立つんですよ。その時に「なんて格好良いんだ。なんて格好いいんだ。今の秒数言うよ。43秒だよ。1分かかってないんだよ。こんなの見たことないよ。メチャクチャ格好良い。これが、今年の運動会のスタートだね」って言った時に、もう、生き生きしてるの、目が。メッチャ楽しそうなの。
伝え方じゃないかって、ただ「急げ」って言われたら、急ぐ気にならないけど、「任されたよ。ここを任せられるのは、あなたたちだけだ」っていうのは、私は真実だと思うのですよ。いろいろ分析したんだけど、絶対ここは、4年生しかできないよねって。
伝えるステップ4. なんでやってほしいかをしっかり伝える。
それをなんて伝えるかで、人のやる気ってこんなに引き出せるよねっていうふうに思ったし、それをやってくれた時に、4年生たちに話したのは
「すごく格好良かったね。やっぱり次高学年を担う皆だからできることだね。これから運動会の練習というのは、学年に割り当てられている時間ってのがあって、何時間といって、これを何時間もあったねにできるか、何時間しかなかったねというのにするには、先生たちと皆の協力が必要だと思うよ。
私は、皆はすごいと思うし、メッチャ素敵な演技を見せられると思うから、たくさん演技の練習をしたい、たくさん団体競技の練習をしたいっていう中で、一番時間を取っていくのが、移動時間なんだ。200人もいる皆がダラダラ移動すると、すごく時間がかかる。
伝えるステップ5. こちらがどれだけ助かるかを伝えて、貢献に感謝する
それが毎時間、全部の場所で起こったら、本当にすごい速さで練習時間が減っていくものなのだよ。それを、さっきみたいに、43秒で皆が移動してくれたら、どれだけ練習できるかって、本当に計り知れないほどに増える。
皆とそういう効率良く、良い演技を目指して練習していきたいから、運動会の練習、暑いと思うし、きついと思うけど、サッと移動するっていうところで、協力してもらえたら、すごく嬉しいんだけれども、どうだろう。さっきの43秒の移動で、お願いできたら、最高だ」って言ったら「できまーす!」と返ってくる。
「そうか。ありがとう」って言って始めたら、気持ちが良いんですよ。「急げ。なんでダラダラしてんだ。急げっつてんだろう」みたいなふうにやっている練習と、全然違うわけですよね。
「わあ、また早かったね、急いでくれて、ありがとう。また気持ち良く練習が始められるね。本当にありがとう」と言ってやる練習と違って、これはなんで急いでほしいかを、伝えてあるということと、そのことで、こちらがどれだけ助かるかというのを伝えてあげて、彼らの貢献に感謝するという所を基本にすると、気持ちが良いし、なんなら手伝ってくれ出すのです、本当。
どれだけ助かるのか、貢献できるか。の意識につながるか。
「練習、効率良くやった方が良いと思うんで、先に準備体操やっておきます」とか「これ、運んでおきました」というのがどんどん起こっていった時に「本当にありがとう」って「こういうの運んでくれた人がいたんだよ。すごいね」っていうのを言ったら、皆運ぼうとするんです。
運ぼうとする人で、職員室に列ができるみたいな。「これはね、五人でいいよ」みたいな感じ。「でも、来てくれた人、皆ありがとう」みたいなことって起こっていって「もったいないな」と。
運動会がこうやって命令されて、やりたくないことをやらされるとなるか、自分たちが動くことで、どれだけ皆が助かることに、貢献できるかという意識につながるかというのは、全て伝え方だと思っていたので、すごい大事にしようと思っていました。
伝え方のコツは、自分の最大限ひねくれて、小学生時代に帰ったつもりで、その小学生たちの立場に立ってみるだと思います、たぶん。
なんでやらなきゃいけないのか?伝えたらやりたくなるような意味を伝える。
そう言われたら、どんな気持ちがするかなっていう、並んでいる側に、先生たちを見て、いっぺん並んでいる側に立って、私がここにいたら「ああ、めんどくせえ。先生たち、走らねえのによ」って思っているタイプだったから、すごいムカついていたんんです。
「なんで、走らなきゃいけねえんだ」と思って「なんで走んなきゃいけないんだよ」とすごい思っていたから、なんで走んなきゃいけないかを、考えたんです。でも、走った方が、良いねって。だって任されてるじゃんみたいな所を見つけた時に、ここを伝えてみたら、やりたいって、私だったら思うなって思って伝えたら、やっぱそうだよねっていうような所だったと思う。
子供の気持ちになってみる
だから、親御さんとかも、一緒なんだけど、小学生の時のこと、中学生の時のこと、皆さんあったと思うんです。親がうざいと思ったこと。うるせえなと思ったことも、何も分かってねえなと思ったことも、あったと思うんです。
やっぱり自分が受けてきた教育というのを、やろうとしてしまうこととか、やろうとすることって、別に悪いことではないと思うんですけど、でも、それを言われたとき、あの時の自分、どう考えていたかっているのを改めて思って見ると、
そんなことを言っても、絶対やりたいと思わないなっていうのが、私はすごく、ひねくれた小・中学生だった、本当に、小中高、大もか。だいぶひねくれてたんです、本当に。「大人はうるせえな」と思っていたし、私すごい覚えていて、今になってすごい恥ずかしいのは、卒業式とか「支えてくださった先生方、PTAの皆様、ありがとうございました」みたいなの、言うじゃないですか。その度に寒気がしていたんです。
「全然ありがとうとか、思ってないんだけど。いつお世話になったよ」って思っているタイプで、すごくその辺が、分かってなかったっていうか、本当に分かってなかったんです。
「ありがとうって言っておけばいいやつか、大人の世界」くらいに思っていて、すごく形式張ったものとか、あれがいけない、これがいけないと言われるものに対して、一見従いつつ、冷めた目で見ていたんです。
「面倒くせえな。うるせえな」って思って見ていた所がすごくあったから、あの時の気持ちになって考えてみると「それはそうよね。そう思うよね」からの、「この子たちにどれだけ感謝の大切さを伝えられるかな」とか、「早く誰かのために動くことが、どれだけ全体の流れを左右するかみたいな所の楽しさを、伝えられるかな」と思った所が始まりだったから、
やる気が出るか出ないかは実験!探ってつかんでいけばOK!
年齢を巻き戻してみて、尖っていたあの頃、ちょっと訳分かっていなかったあの頃みたいなので、そのままそれを聞いたら、やる気になるか、やる気にならないか、こうやって言われたら、やりたいって思えるかなみたいな所は、実験なので、言ってみて、キラっと相手の目が輝き出した時に「これだ」というのを、掴んでいけばいいんじゃないかなって思います。
メッチャ分かりますよ。これは、フって、顔上げるので、子供は。フッと顔上げるので分かるし、ちょっと親子関係できまり悪そうにしても、やっぱりなんか照れ隠しながら、嬉しそうな顔したり「おう」って言いながら、まんざらでもなさそうみたいなのは、たぶん分かると思います。
後編に続きます!後編では、別のシーンでの声かけ例をお伝えします。
Youtube「おしえてみかん先生!」
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この記事を書いた人:未来学園HOPE 事務局