「子どもの反論についついイラッとしてしまう……どうしたらいいですか?」という質問について
どうしてもイラっとしてしまう…
そんな中でもいいところを見つけて褒めなきゃなんて…つらいです
そんな声をよく聴きます。その解決法をお伝えします!
(2022/02/03 youtube配信動画)
先生、怒ったときに子どもに言い返されて、でもそれが結構図星なんだよなってあるじゃないですか。その時って余計怒っちゃうと思うんですけど、そういうとき先生どうしてました?
そうですね。怒るには2種類あると思っていて、一つはイライラ、ムカムカって湧き上がってきたものを止めた上で怒ると決めたとき、と、その感情のままに怒ったとき。
このことについては、前回くわしくお伝えしました。
記事はこちら↓
「子どもについ怒っちゃうんですけど…」感情的に怒ってしまい自己嫌悪してしまう親御さんへ。勘違いしていませんか?
怒ることのメリットとデメリット
このときって、子供が反論してくるわけですよね。
怒りをぶつける行為っていうのは、相手に向かって矢を投げるとか刃物を投げつけるみたいなものだと思うんですよ。衝撃を与えるとかショックだとか、びっくりさせるわけだし。
人の心理的に矢を投げられたら、同じようなものを返そうとするっていう、もしくはすごいプロテクターで守って、もう1回同じものを浴びないようにブロックをかけるってことが起こりうる、これが怒りのもつデメリットだと思ってて。
メリットとしては、びっくりさせることでそのことの大事さが伝わったり、こちらの感情は伝えることができるんだけど、相手を攻撃するっていうのは、相手をすごく怯えさせるとか、あとこっちも攻撃してやるぞって隙を突かれるというか、どこの隙を攻撃してやろうかってなるのが、やっぱり人間だと思う。
私は先生として子供たちに関わっていたから、1:40でそれやると、3~4人はいるんですよ、「投げ返してやるぞ」みたいな子って(笑)その覚悟を持って怒りは表現するものだと数々の失敗を経て捉えていたので、怒りを放つときっていうのは、攻撃をその後自分も受けるだろうということとか、ある程度の子にちょっと距離を置かれるだろうっていうデメリットは理解した上で投げる必要があったんです。先生としては。
怒るときに気を付けていたポイント
なので、考えて決めて投げる(怒りをぶつける)ときっていうのは投げた後がすごい大事。
「ふざけんな」って言った後に
「ね、なんでこんなに怒ったかわかる?」って。
「みんなだったらできると思っていて、これこれこういう理由があって、
これができたらどんなに素晴らしかったか、なのにこうなったからだよ」って。
「このままみんながいったらどうなっちゃうかってすごく心配」
って愛の部分をめちゃくちゃ出すようにしてたんです。
愛の部分?
そう。そうすると、攻撃を受けづらいっていうことと、「大丈夫よ、敵じゃないわよ」っていうのを投げた後にするっていうのをすごい心がけていたのと、あとはもうその段階で自分の怒りは収まっているので、「いや、だって先生この間こうって言ってたじゃないですか」、みたいのが来たとしても冷静に、それがそうだと思ったら「確かに。ごめん。この間はそうやって言っちゃった。あ、変だね、ごめん」ってなるか、もうそのままその非を認めた上で話し合いに入るか、「いや、でもあれにはこういう意味があって、今回のはこういう意味があるんだよ」っていう話し合いに入るかっていうのが、決めて怒ってるときにはできるんですよね。
だから、怒りの矢を投げる前にすごいいろんなものを整えて、
「私はみんなが大好きです」みたいなものも整えた上で、もうその後何が返ってきてもこうしよう、みたいに決めて投げているのが、決めて怒るとき。
沸き上がってきた感情のままに怒ってたらこっちもそれどころじゃないから、投げ返されたらもう1回投げるしかないみたいにやっぱなりやすいですよね。
先生が生徒に感情的に怒ることと、親が子どもに感情的に怒ることは違う。
それやっちゃったら先生としてどうなっちゃうんですか?
それやっちゃうと、先生としては本当にその後の修復が大変で、特に高学年とか、子供たちの年齢が大きくなればなるほど、理不尽なことに対する大人への反発って強まっていくんですよ。
なので、ちゃんと理にかなっているかとか、ちゃんと筋が通っているかとか、ちゃんと大人がそれと同じ行動をしているかっていうのは、もう40人の目から見られていて、そこにすごく矛盾が生じると、何かちょっとしたほころびがきっかけになって本当にいろんな信頼関係が崩れていくっていうのを何度も経験したので、怒りを放つことの責任感と恐怖みたいなものがあって。
でも怒りの必要性っていうのもわかっていたから、多分もう最善の装備と食料とかを蓄えた後、「大丈夫、肉もあるよ、果物もあるよ」みたいな状態で投げるようにしてたっていうところは、私の先生としての経験がすごい長いし、先生として子供と関わってきてるっていうのがすごいあるなと思うんですけど。
それで言ったら、そんな人間らしい怒りをぶつけてもぶつけてもやり合っても、切っても切れない縁にあるっていうのが親子だから、私は親子関係においては、その揚げ足取りの「ふざけんな」みたいな親子喧嘩は全然あっていいと思うし、やっぱりそれでも切れなかったり、お子さんのことが大好きだったり、親御さんのことが大好きだったりするっていうのが親子関係だから全然あっていいと思うし、先生が触れ合ってるより何十倍もの時間を、そしてこれから先の時間を共有していくのが親子だから、私のように「果物も食べ物も備えた上で怒りましょう」っていう気は全くしないですね。私も親とは相当喧嘩してきたし、喧嘩してきたからこそ愛情を感じられたところもたくさんあるので、全然いいなって思いますね。
日々日々頑張っているご自身に「よく頑張ってるね」を言ってあげてください。
その怒りっていうのが起こるときに、やっぱりその相手のことを思ってるときもあるけれど、やっぱ人って「わかってよ。こんなに私いろいろやってるのにどうしてわかってくれないの」とか、自分の日々大切にしてることを踏みにじられたときって、悲しみとか怒りとか起こりやすいって思うんですけど、子育てっていうお仕事って本当に日々日々、自分のやるべきこともある中で、自分よりも、とか、自分と同じくらいに子供のことを思って心を砕き、愛情を注ぎ、時間を割きってやっていく。本当に何だろう、ブラックもブラックな職業だと思っているので。
その頑張りとか、本当に「なんてお母さん頑張ってるんだろう」とか「なんてお父さんこんな時間まで頑張って」って言ってくれる人がいないんですよ、本当に、なかなか。だから、夫婦がそれをいたわり合える関係だったらものすごいいいなって思うけど、そんな風にもいかないじゃないですか(笑)お互い大変だから。
だから私、お母さんと会える、たまにお父さんと会える個人面談の時間っていうのは、お父さんとお母さんを全力で「なんて素敵なんだ」って、「どんなに日々頑張っていて、だから子供があんなに笑顔で毎日学校に来れてるんだ、なんて素晴らしいんだ」っていうのを伝え続ける15分間にしようって決めてたんですよ。だってすごいじゃないですか、本当に。私、ホント自分は子育てできるか、母親になれるかっていうと、こんなにお酒ばっかり呑んでるのに大丈夫かって思う。本当に尊敬してるんです。だから、その15分間はお母さんやお父さんの心が満たされる時間にしたいと思って、そのお子さんの素敵なところと、「どうしてこんな素敵なお子さんになるのかってご両親があってなんです」っていうのを伝えまくる時間に決めてたんですけど、半分以上の方が涙を流されるんです。
そのぐらい普段から「頑張ってるね」「素敵だね」って言われないお仕事だと思うから、いいですよ、むかつくことがあったら「むかつく」って言って、それでも日々愛情を親御さんが与え続けているから大丈夫なんです。関係は崩れない。
だからその愛情を注ぐ部分と、「こんなにやってるのにわかんないのか!」っていう部分はあってしかるべきで、だからもう日々日々子育てに時間とか、愛情とかっていうのを注いでいるご自身のことを「本当すごいな」って言っていただきたい。
そんな中、本当にわかってほしいことがあったら、いいですよ、「揚げ足ばっか取ってんじゃねー」みたいなのは言わないとわかんない子供もたくさんいるので。言って喧嘩したらいいんじゃないかなって、で悪いと思った部分があったら次の日に謝ればいいんじゃないかなって思います。
★まとめると・・・
こっちが怒りで攻撃した場合、反撃もしくは逃げるみたいな反応がお子さんにも普通に起こる。
ということを理解しといた方が、反撃が来たときに「やっぱりきたかー」ぐらいの心持ちでいられる。
他人として関わっていた先生と子供という立場だと容赦なかったです。
なので、親子関係であってもそういうことが起きるっていうことをわかった上で、怒るのは全然OK。
怒り合うっていうのがあっても、その後ちゃんと話し合えれば全然OK。
なので、やっぱりそれの何が嫌だったか?
例えば、怒った後に揚げ足取られたらむかつくじゃないですか。バカにされてる感じがするし、私が言いたかったのはここなのに大事にされてない感じがするっていうのがあったら、冷静なときに、「これが嫌だったからこうやって言っちゃったけど、そこは確かにそうだったと思うよ」みたいなところが話し合えれば全然問題はないので、
何で怒ったのか?
そして愛情っていう部分をしっかりその後伝えられればOK。
何よりも日々日々頑張っているご自身に「よく頑張ってるね」を言ってあげてください。
それが一番大事かなと思います。
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