「◯◯先生じゃなきゃヤダ!」~世渡り上手の子どもに振り回される先生

先生や親にとって、「〇〇先生(ママ、パパ)じゃなきゃ嫌だ」と言われるのは嬉しい反面、対応に困ることもあります。この発言の裏に隠された子どもの意図をどう読み取り、どのように対応するのが教育者として適切なのでしょうか。今回は、子どもからの「好き」という感情にどう向き合い、彼らを将来的に自立した人間に育てるための関わり方について、具体的な事例を交えて解説します。

子どもの「好き」にどう向き合うか?

のんちゃん先生、はい、先生からの質問です。みかん先生じゃなきゃ嫌だっていう子どもも多くないですか?自分はそういう風に言われると困っちゃうんですけど、どうしてますか。
生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生
多いですよ。これ、先生をしたことある人はみんな言われたことあると思う。私は。そうですね、ない人もいるかもしれないけど、言われたこと多い人がいるんじゃないかなと思います。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
というのは、あの、子ども、これ言うのが上手な子が一定数いるんですよ。私の印象では、多いのは女の子。小学生の女の子はすべからくこれがうまいです。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
「今までの先生の中で一番です」とか、「先生のこと本当に好きで」とか、「先生で良かった」「隣のクラスじゃなくて良かった」とか、「隣の先生じゃなくてみかん先生だったら良かったのに」とか。多いです。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
で、これご家庭でもあると思います。「パパで良かった」とか「ママがいい」とかいうやつ。これ言われるとね、嬉しいんですよね。嬉しいと思うんですよ、間違いなく。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
で、この嬉しいと、ちょっと甘くなるんですよ、こう。その時の判断が。「みたいなちょっと甘くして欲しい時に使ってるな」とか、「なんかめんどくさいなって思う時に使ってるな」とかっていうのを、私は感じていて。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
例えば、本当に一対一でとか、二人で話してる時に、「みかん先生、私、先生が担任の先生で良かったな」って。このコミュニケーション、めちゃくちゃいいですよね。「ありがとう。私も〇〇ちゃんの担任の先生でめっちゃ幸せだよ」みたいな。この幸せな空間はめちゃくちゃいい。

「みかん先生で良かった」の裏にある意図

のんちゃん先生
のんちゃん先生
で、これが「うーん」って思う時があるのは、「みかん先生で良かった」って言った瞬間が、厳しい先生がその前にいて、厳しくしていて、で、私、その厳しくする立場じゃなく、フラッと行った時に、ふわっとこっちに来て言った瞬間とかは、多分ね、使われてるんですよ。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
おお、って。で、その時に、「うん、ありがとう」って。「なんで?って今なんでそう思ったの?」って聞くんですけど。で、その時に比較をして、「だって、〇〇先生怖いんだもん」「なんでそう思ったの?だってさ、走らなきゃいけないとかって怒るんだよ」とかっていう場合は、「うん、じゃあ走ってください。今、〇〇先生の場所だから。私んところ来て良かったって言われても、私その権限ないんで。〇〇先生が走ってっていうんだったら、走ってきてください」という。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
なんだろう、あれを言わないのでいいって言われることって、大人になって考えてみてっていつもやるんですけど、大人で考えてみると、部長と課長がいて、部長が「これちゃんと」って言っていて、課長のところに来て、「ああ、課長で良かった。部長怖いんですよ」。「本当、部長怖いよね。私で良かったね」ってなります?ならないでしょ。なんないっすね。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
え、なんじゃそりゃって話じゃないですか。なめられてますよっていう話なので、文脈を読みましょうと。難しいこと。相手が自分がしている関係性の中で、本当にお互いのいい関係性の中で、「いいね、いいね」って伝えられるのは大人になってからもハッピーですよね。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
「課長がこうやって関わってくれたことで、本当に私も成長できて嬉しいです」と。「そうか、そうか、僕も嬉しいよ」みたいなの、いいですよね。大人になってからも。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
いい場の時は、私ももう全身で受け止めるし、返すし、そういう関わりって私も一人一人の時にしようと思ってる。

比較による「好き」は気持ち悪い

のんちゃん先生
のんちゃん先生
でも、例えばですよ。私が子どもたち相手に、「〇〇ちゃん、あ、良かった。まるまるちゃん、〇〇ちゃん、宿題もやらない。だけど、あなたは宿題やるでしょ。良かった。大好きだよ」っていうことって、すごく気持ちが悪いじゃないですか。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
「何々するから好きだよ」って良くないんですよ。好きだ嫌いだっていう話をする時に、誰かと比べてどうとかね。だから、「何々先生と比べて好き」みたいな風に言われた時は、「どうしてそう思ったの?で、〇〇先生これって言うんだもん」って言ったら、「そうなんだ。そこには意図があったんだね。私もどっちかっていうとそっち派だよ」みたいな風に冷静に答える。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
比べて好きで、だから甘やかして、みたいなところに載ると、もうコロコロコロコロ転がされちゃうので、その文脈と意図を読み取るっていうのがすごい大事かなと。

全体の場での不適切な発言への対応

のんちゃん先生
のんちゃん先生
でもう一つが、みんながいる場で、その他の〇〇先生もいる場で、「え、今日みかん先生じゃないの?最悪」とかって言う子。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
これ、大人になってやったと考えてみましょうと。「え、今日課長担当ですか?部長だと思ってたのに。最悪」っていう大人がいたらどうですか?
嫌だ。
生徒T
生徒T
のんちゃん先生
のんちゃん先生
かなり引くよね。周りも評価も下がるよね。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
っていうから、「そんなこと大きな声で言う」みたいなこと言った時に、「あ、嬉しい」とか思っちゃダメなんですよ。「え、そんなこと言ったら、すっごいこの子、どんどん大人にこのままなってっちゃったら、この子のために良くないし、この場にいるみんなが気分悪いんですよ」。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
それなので、私はそういう風な場でそういう風に言われた時には、はっきり伝えます。「すっごい気分悪い」って。「今、大きな声でこれを言うことで、誰がどのように感じたか予測することはできる?〇〇先生はどう思ったんだろう?周りで聞いてる人はどう思ったんだろう?好きと言ってくれることは嬉しいけど、私は大変気分が悪いです。席についてください」っていう。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
これが教育かなと思うんですよ。「好きって言ってくれて嬉しい」とかって、〇〇先生がもうちょっと直したらいいかな、どうしたらいいかなとかってやっていると、それを大きな声で言う子になっちゃうんです。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
で、これは私の気を引こうとしたのかもしれない。安易に〇〇先生を攻撃しようとしたのかもしれないんです。どちらかの意図があるなと組みとります、私は。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
で、これをよくするパーソナリティタイプって言って、あの性格タイプの子がいるんですけど、それをする、とですね、まるまる先生の評価を周りにいる子どもたちにとっても下げるんです、みたいな意図があってやってる場合っていうのがあって。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
これが全体の場とかにとても悪影響を及ぼすので、「今の言い方はすごい気分悪い。好きって言ってくれること嬉しいよ。でも、今の言い方で言われても全然いい気分がしない」で、そこでは割とこう厳しくピシって言った上で、じゃあ席についてもらう。席にその子がついたとしてですよ。これはなんか教育的立場として厳しめに言いましたっていう感じなんですけど。

厳しく言った後のフォローアップ

のんちゃん先生
のんちゃん先生
その上で、〇〇先生に対して何か思うことがあるんだったら聞くよって、〇〇先生がいないところで聞きます。「え、さっきは厳しく言ってごめん」って。「私は好きと言われることは嬉しいけど、あの場でああいう風に言うことっていうのが、あなたのために、あなたにとって良くないと思った。もったいないと思ったから。不満が〇〇先生に対してあるんだったら聞くよ。教えてくれたら嬉しい」って話をします。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
で、こういうことをするとよく起こるのが、「なんかいいと思ってたんだけどさ、みかん先生最悪なんだけど」っていう噂を回される。「こうやって言ったらこんな風に言ってきたんだよ」みたいな。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
気にしない。それを恐れていたらね、割と教育はできないなって思っていて。あの、私は転がされないって思っていたのと、その子が将来にとって、将来そのままそれを発言した時にどうなるんだろうってことの方が大事だったので。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
ここはズキッとしながらも、「あ、嫌われちゃった」って思いながらも、それでもその上で、「あ、〇〇ちゃん、このスカート可愛いね」みたいなのは変わらず関わり続け、なんか一緒に楽しく話してる話題があった時に楽しく話しながら、信頼関係はまた作っていく。もうこれは「いかん」と思ったところはビシッといくだけ、みたいなのが私スタイルですね。

「〇〇じゃなきゃ嫌だ」が人間関係を壊す理由

のんちゃん先生
のんちゃん先生
どういう文脈でどうしてそれを言ったっていうのが大事で。「みかん先生じゃなきゃ嫌だ」と言ってくれることは嬉しいですよ。嬉しいけど、そんな「何々さんじゃなきゃ嫌だ」って、恋愛じゃあるまいし、そんなこと言ってたら人間関係成り立たないんですよ。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
「部長じゃなきゃ嫌だ」みたいなのって、職場に行って成り立たないじゃないですか。部長が変わることもあれば、メンバーが変わることもあり、部署が変わることもある時に、「部長が良かった」みたいなのずっと言っててもしょうがないわけで。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
自分自身が主体的に人間関係を築いていく必要があるっていう時に、その言葉っていうものが意味するもの、そしてその子が言ったシチュエーションが、大人になっても気持ちいいものなのか、それとも何か意図があって気持ちがあんまり良くないものなのかっていうところで返すようにしてました。

まとめると

のんちゃん先生
のんちゃん先生
「パパ好き」とか「ママ好き」とか「先生大好き」とかって言われることは、基本的には気持ちがいいことです。でも、「まるまるじゃなきゃ嫌だ」はちょっと危険かなって思ってます。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
「みかん先生じゃなきゃ嫌だ」って言われたら、「え、なんでそう思うの?って他の先生でさ、すごいさ、楽しかったなとか良かったなと思うことは?良かったら出てくるんですよ。あ、他の人もいいじゃん」で返す。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
付き合える、気持ちよく付き合える人の幅っていうのは広がっていった方がいいし、気持ち悪いような状態で、誰かと比べてとか、耳に聞こえるように比べてとかっていう状態で言った時には、それはあまりこのまま続けていくと良くないよっていうことは伝えつつ、好きに踊らされないっていうのを気をつけてはいました。
のんちゃん先生
のんちゃん先生
でも、私自身もね、嬉しくなっちゃったり、悲しくなっちゃったりはするんですけど、それに振り回されてると、本当にブレブレになります。先生をしていると、「あの子に嫌いって言われた」「あの子好きって言われた」「嫌われたくないし、これ言っちゃいけないかな」とかってやっていると、本当に自分が前に何を言ったかもよく分からなくなったりするので、その辺は先生としてとか、多分多数のお子さんを持つ親御さんとか、子どもたちの好きとか「ママじゃなきゃ嫌だ」に接する時に、少しこう気に掛けてみたらいいんじゃないかなと思います。
ありがとうございます。自分はめちゃめちゃコロコロされてます。そうだなって思いました。
生徒T
生徒T

この記事を書いた人: 梶谷希美

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